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KOFMIAプロデューサー:FALCOON氏
言わずと知れたプレイモアの名プロデューサー。KOFMI2に引き続き、今回のMIAのプロデュースをされています。 |
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ユサ家代表:抹茶ユサ氏
主に、MIシリーズの今後の展開などについてお話くださいました。 |
・・・それでは、宜しくお願い致します!
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瑞瀬 了 |
Q:1 AC版と家庭用をほぼ同時リリースする事になった経緯を教えて下さい。またそれを決定した心境も教えて下さい。 |
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まずは「KOF MAXIMUM IMPACT REGULATION "A"」(以下「MIA」)というゲームの立ち位置について言及いたします。
これまで家庭用専用ソフトとしてリリースしてきた「KOF
MAXIMUM IMPACT」(以下MI)シリーズをベースに、ゲームセンターで遊べる(通用する)対戦ツールとして成立するゲームバランスに調整しましょう・・・というコンセプトをたて、その基本コンセプトに基づいて生まれたのが「MIA」になります。
MI2までのゲームシステムをMIA用にブラッシュアップ。
各既存キャラクターの性能、バランスの見直し、新キャラクターの追加をした上で、アーケード用の対戦格闘ゲームとしてスタートラインを引きなおす。というタイミングを用意しました。
ご存知の通り、MIシリーズは2DKOFで採用している「必殺技」「超必殺技」「特殊技」以外に、独自の攻撃システムとして「スタイリッシュアート(以下SA)」を採用しております。
このSAが各キャラクターごとに平均10数個(多いキャラだと40個を超えるキャラクターも存在します)と、SAだけでも相当のボリュームあり、通常の2DKOFに比べて遊び始めに必要とされる情報量が、MIシリーズは格段に増しているのが現実です。
また、その多くの情報量を必要とするゲーム性の上に、従来のKOFの対戦システムである「3on3マッチ」を採用していますので、少なくとも自分が使いたい3キャラ分の情報量を蓄えておかないとアーケードで対戦するには、心細いと感じるプレイヤーが多いのではないか?ということも予想に難くありません。
先述しました「引きなおされたスタートライン」がほぼ全てのユーザーに対して平等でありますので、アーケードで勝利を掴みたい!と願うユーザーをメインターゲットに据え、「家庭用を出来るだけ早く出す>家庭で落ち着いて練習し実力を高める>アーケードへ・・・」という構図を見出しました。
今回のアーケードの稼動後に間をあけず家庭用を出すという流れの採用はこういったコンセプトが中心となっております。
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Q:2 ACとPS2をほぼ同時期に出す事に関して、製作の過程で苦労した事はどのような事でしょうか。 |
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2つのプラットフォームで開発を進めましたので単純に開発作業が2倍あった・・・ということでしょうか。
全てが2倍になりますので、それはもう・・・思い出したくないですねw |
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Q:3 PS2以外のコンシューマでMIAを出す予定はあるのでしょうか。 |
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MIシリーズは、当初家庭用専用タイトルとしてはじまりました。
新しいストーリー展開を軸に、餓狼伝説でおなじみの「サウスタウン」を舞台に繰り広げられる、SNKの新しいストーリー格闘タイトルという位置づけです。
当然、シリーズ展開も少なくとも6までは考慮されており、1-3がアルバ、ソワレ編、4-6は逆に歴史を遡りフェイト-デューク編を作ろうと画策しております。
すなわち、MIシリーズは旧SNK時代に語りつくせなかった餓狼伝説の世界観。ギースの死後、MOWにつながる空白の歴史を埋めるべくその使命を帯びています。
今回は、派生バージョンとしてのアーケード展開ではありますが、以上の事情から、物語を語る上での家庭用、そして次世代機展開も考慮しています。
ただし、売上実績ありきなゲームの世界ではありますので、妄想をすぐに実現することはできませんが、少なくともSNKとしてはロングタームで捉える重要なブランドであると認識しています。
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Q:4 MIAが出るのに際して「FIGHTERS 2006」のような大会実施予定はありますか? |
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昨年はTGS(東京ゲームショウ)のプロモーションの一環として「FIGHTERS」を開催しました。本年は同様のイベント予定をしておりませんが、もちろんプレイヤーあっての格闘ゲームであることは十分に認識しております。今後のアーケードタイトル展開に合わせ、将来的に再び大会イベントを実施したいと考えております。
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Q:5 XBOX360のMI360はMIAと同じものですか。 |
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これは一部で誤報が流れておりますが、現状発売時期や内容はFIXしておりません。もちろん上で述べたように、アーケード展開に続き次世代機もターゲットにおくべきタイトルではあるのですが、現在はまだブランドとしての地固めをしている段階であり、次世代機にて早期発売という見込みはたっておりません。
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Q:5 何故デュオロンではなく、シャオロンを出したのでしょうか。 |
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「アッシュが出ているのに、なぜデュオロンじゃないのか?」という疑問が出てくるのは理解できます。
「どうしてデュオロンではなく、シャオロンになったのか?」
多くの理由がある中で代表格になる理由は以下の3つです。
まずひとつ目の理由は、MIAの物語の時間軸、MI全体ストーリーの位置づけを構築する上で、「MIにおけるアッシュの存在する時間軸」をどこにするのかが問題となりました。
少なくとも現在、2DKOFで進行中の「アッシュ編」のストーリーがある以上、そのストーリーの流れを邪魔する存在になってはいけない・・・という認識がありましたので、2DKOFの開発チームと話し合いをし、MIAのアッシュが存在する時間軸は「少なくともKOF2003以前」であることを確定させました。
その上で飛賊のストーリーをもう少し露出するためにはデュオロンではなく、他の誰かで・・・というのがありました。
2003の主人公チームストーリーでアッシュがデュオロンに「アハハ、デュオロン久しぶり。元気してた?」という再開のシーンを尊重し、MIAではあえてデュオロンの登場を避けた・・・という経緯(いきさつ)があります。
デュオロンではなく、リンでもない理由も「KOF
XI」のサイコソルジャーチームEDを見ていただければお分かりかと思います。
もうひとつの理由としてはデュオロンを採用した場合、再現(表現)が非常に困難なオリジナル技を多く所有しておりますので(一例を挙げるならKOF
XIでは不採用の技となってしまいましたが幻魔飛翔軽功などの発生時の消失アニメーションなど)、そこをクリアしていかないとデュオロンとして成立させる価値自体が薄まります。
(再現度を落としてまで・・・というのはユーザー様にも不本意だと思いますし・・・。)
その再現が難しく、完成度を落としてしまいかねない部分をあえて削除、シャオロンの暗器という新しいギミックでカバーしつつ、飛賊らしさ(飛毛脚、連続入力の連携技など)も加えて新しい飛賊のキャラクターを表現していきましょう・・・というのが、シャオロン誕生のきっかけになっています。
最後のひとつはデュオロンを採用することで、自動的にシェン・ウーも採用せざるを得なくなるということ。
(個人的にはシェンは非常にMIシリーズのシステムにマッチしたキャラクターだと思っておりますので、追加キャラの候補枠には常時、彼の名が挙がるのは事実です。)
今回の追加キャラクター枠は時間と開発力の都合上、数量が限られており無制限に増やせるわけではありませんので、やむなくデュオロン、シェン・ウー共に削除・・・という流れもありました。
また2003の主人公チームを完成させてしまってはMIとしてのストーリー展開に支障が出ることも危惧されますし、2DKOFのストーリー展開にも影響がでる可能性が大きくなってしまいますので、あえて2003主人公チームからはアッシュのみを選定させていただき、MIAにゲスト参戦してもらうことになりました。
こういう削除理由は以外と多く、社を出せばシェルミー、クリスをセットで出さないと格好がつかない・・・など、パッケージングされたイメージのあるキャラクター達は出場枠を決める際に足かせがひとつ付いてしまう・・・というのは、いつの時代のKOFでもこぼれ話として存在してますね(汗)。
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Q:7 何故シェン・ウーは出られなかったのでしょうか。 |
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これは上のデュオロンのところでお話しちゃいましたね(笑)。
個人的には彼の出場はプッシュしてます。
03主人公チームでは一番好きなキャラですし、何と言ってもMI的に非常に伸びそう(ゲーム的におもしろくなる要素を秘めている)ですので、シェンを作るということには非常に興味があります。
ただ、開発はあくまで一人の意見を尊重して進行する場ではありませんので、開発内部で多くの賛同を得、同時にユーザー様からの支持も多く、ゲーム的にこれならいける!というキャラクターであれば、選出のチャンスが大幅に跳ね上がるであろうと言えるでしょう。
・・・シェンがMIに出たあかつきには家庭用専用で、「飛んでくる上海蟹(50盃)を全て弾拳でさばききるミッション」を実装することをお約束いたしましょう!
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Q:8 公式のキャラ紹介等であるマリーのコンセプトの『Sクラスの女』の意味を教えて欲しいです。 |
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「Sクラス」=スゴ腕の
「女」=女エージェント
・・・という意味だそうです(嬉野先生より)
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Q:9 AC版とPS2版の大きな相違点がありましたら教えて下さい。 |
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ゲームの中身に関しましてはアーケードと家庭用の内容が「全く同じもの」というコンセプトで作りこみましたので、アーケードと家庭用を比べ互いに差異はありません。
家庭用のみに専用で入れ込んでいるモード(MMBB、プラクティス、1on1マッチ、ジュークボックス、オプション)など幾つかありますが、ゲーム本編の中身は全く同じです。
先頭でもお話しましたが「家庭用で練習してゲームセンターへ行こう!」がコンセプトのソフトですので、家庭用専用の、アーケード専用の隠し要素などは一切ありません。
むしろそれがあるならば「ゲームセンターでは(家庭では)実行できないもの」となりますので、それを喜んでいただけるファンの皆様が存在することは理解しておりますが、対戦ツールとしては不純物でしかない。という判断のが開発で出た結論です。
MIAはMIシリーズの中でもゲームセンターで真剣に対戦できるためのツールとして調整したゲームです。
家庭用はその練習用+αという位置づけで解釈しておりますので、MI2のようなミッションやストーリーモードが充実した家庭用ソフトは、ストーリーを進めるときにまた・・・という感じで捉えていただけると幸いです。
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Q:10 SA、必殺技の追加はどのくらいあるのですか? |
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各キャラクターに数個ずつ必ずあります。
必殺技、超必殺技が増えてないように見えるキャラクターもありますが,、しっかりとSAなどが増えてますので見つけてみてください。
また、コマンドなどは一切変わってない必殺技やSAなども判定や効果など細かい部分で、かなりの量が変更になってますので、これも同様に見つけていただけると幸いです。
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Q:11 MIAで背景キャラは増えましたか? |
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探してみて下さい(笑)。 |
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Q:12 京や庵などはMI2でのアナザーモデルを使えるのでしょうか。 |
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もちろん使えますよ。 |
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Q:13 追加キャラ以外にも追加BGMやステージはあるのでしょうか。 |
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ありますよ!
毎週更新の公式サイト内、「真夜中のFalcoon's Room」というコンテンツで、情報公開も行っておりますので、そちらをチェックしていただけると幸いです。
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Q:14 MI1でのステージBGMが復活しているらしいのですが、ステージも復活しているのでしょうか。 |
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残念ながらMI1のステージはありません。
ステージの内部に仕込まれているプログラムがMI1とMIA(MI2)では全く別物になっておりますので、安易に持ってくることができないようになってます。
好きなステージも多いので将来的に要望が多いようでしたら再現してみたいですね。
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Q:15 MI2で出たキャラは、MIAでの4種類のカラーはMI2のA〜Dカラーなのでしょうか。それともA〜Hまでのカラーから選出したものなのでしょうか。 |
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MI2のA〜Dカラーです。 |
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Q:16 溝口とシャオロンの声優はどなたでしょうか。 |
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申し訳ございませんが、ゲームが発売されるまでは基本的に公開いたしません。稼働、発売後はスタッフロールなどを確認していただければわかると思います。
溝口の声は皆さんも大変ご存知の声優さんです!当社タイトルでは非常にお世話になったあのお方・・・。公式動画などでご確認していただければと思います。
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Q:17 PS3のMI3の開発状況は如何でしょうか。 |
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これは上でお答えしたとおりの状況なので、具体的なお話は避けたいと思います。 |
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Q:18 MI3は出すとしたらアーケードでしょうか、コンシューマでしょうか。 |
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MI3というナンバリングタイトルに関しましては、説明しましたようにストーリーを軸とした家庭用タイトルとなる予定です。現在はアーケードバージョンの発売を控え、さらにこれを熟成、進化させる方向性で作業を進める予定ですので、この二つの流れをどのように融合させていくかは未だ思案中です。今回のMIAの評価や将来性を見据えた上で改めて検討したいと考えています。内容的には前にお話しした通りです。
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Q:19 MIシリーズではオリジナルキャラが非常に目立ちますが、これからもどんどん増えるのでしょうか。溝口のようなサプライズもは今後も予定しておりますか? |
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今のところは何ともいえません。
ただ、キャラクターを選定するにあたって、ユーザー様より出場要望の多い2Dキャラからピックアップするというのは基本です。MIのストーリーを進めるためにも新キャラクター達はもちろん必要になりますので、新MIオリジナルも必須となります。
溝口みたいなサプライズキャラクターは時と場合、タイミングも非常にデリケートになりますが、個人的には非常に面白い要素だと思いますのでアリだとは思ってます。
すべてをありのまま明確にお答えすれば、それはそれで期待したり想像したり・・・という、ユーザー様だけがもてる「特権」の部分をバッサリと刈り取ることにもなりかねませんので、公式発表があるまではその「特権」をフルに活かして楽しんでいただければ・・・と思います。
そういう部分もゲームを楽しむ一部なんじゃないのかな?と思いますので!
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Q:20 アナウンスが賑やかになっていたようですが、これはMI2からそういう予定だったのでしょうか。それともMIAからの新録音でしょうか。 |
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これはMIAでの新たな試みで、もちろん新録です。
MI2と同様の声優さんを使っております。 |
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Q:21 今回のMIAのタイトルとしてのストーリーは'94や'98や'02のようなオールスター、お祭的な解釈で良いのでしょうか。 |
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MIAのストーリーに関しての位置づけをお話させていただきます。
基本的にMI2のスタートと全く同じタイミング(時間軸)です。
「同じタイミングなだけで別物(パラレル)なのか?」というとそういう解釈ではありません。パラレルな解釈ではないということをあらかじめご理解ください。
MI2でも登場したキャラクターの個別ストーリー(公式サイトで公開中)がMIAでも全く同じなのはそういう意味です。
アッシュ、マリー、笑龍、溝口たちもMI2のスタート時に確かに存在はしてましたが、MI2ではその存在を披露する際に選出漏れしてしまった・・・と、認識していただくのが一番手っ取り早いかと思います。
MIのストーリーが繰り広げられている「この世界」では、MI2やMIAには出てきていないキャラがゴマンと存在してます。各タイトルはその一部を切り取ってお見せしている・・・という感じです。
こうしている間にもアンディは日本で滝に向かってひたすら飛翔拳を打ち込み、修行にはげんでいるでしょうし、アクセル・ホークはまた新しいラジコンをブイブイ走らせているころでしょう。
ホワイトは人形集めに精を出しているころで・・・え?もういいって?w
・・・つまりはそういう事なのです。
ストーリーはMI2と同じですので、ソワレがアデスの手に落ちたところまでがMIの物語の最先端という認識でまちがいありません。
KOF2003以前の世界、MI2と同じタイミング・・・。
そういったことを把握していただいた上でMIAのキャラクター同士の登場、勝利デモを見ていただけると、「ニヤリ!」とできると思いますし楽しみも倍増すると思います!
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・・・お時間となりました。本日は丁寧なご返答、誠に有難う御座いました。 |