カオスブレイカー
Chaos Breaker
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2D対戦格闘ゲーム/チームバトル格闘ゲーム
Type X 開発:イオリス 推奨度:− 稼働:2004/12/20
AC基板 販売:タイトー 入手度:− 定価:148,000円
PS3 開発:イオリス 推奨度:− 配信:2010/08/05
DLC 販売:レコム 入手度:− 定価:2,000円
DARK AWAKE −ダークアウェイク−
Chaos Breaker Wiki
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■レビュー執筆:tack氏
 カオスブレイカーは2004年12月にTAITO TypeX基板でリリースされたファンタジー2D対戦格闘ゲームです。しかし、ろくに宣伝もされなかった事もあってか出回りが非常に悪く、洋ゲーと勘違いされそうなほどの濃いグラフィックと世界観によって新作と認められずに総スカン喰らってしまった不遇の作品。その後、「メルティブラッド アクトカデンツァ」等の新作の波を受けて完全に市場から消え、その真価を認められずに闇に飲み込まれていきます。
 しかし、ぐねぐねとよく動くキャラクターや世界観を表したBGM、そして後述する相殺システムなどなど恐ろしいまでの作り込みが窺える作品なのです。

■ロケーション
 人間、モンスター、エルフ、ドワーフ、ダークエルフ、アンデッドの6種族計18人の中から3人と、様々な効果を持つ計40種類にも及ぶアイテムの中から任意の物を一つ選び、3on3戦を行います。
 ボタンは4ボタン式で「A:弱斬り攻撃」、「B:中斬り攻撃」、「C:大斬り攻撃」、「D:ブロウアタック(蹴り攻撃)」となっています。通常技から通常技に繋ぐいわゆるチェーンコンボというものは存在せず、一手一手の刺し合いが主となっています。マナゲージ(超必ゲージ)は最大で3本ストックでき、このゲージを使用してマナバースト(超必)、ヘルパーを呼ぶ、マナカウンター(ガードキャンセル)などを行います。

■アイテム
 本作には対戦前に選択できる通常アイテム32種類とCPU戦、対戦後に稀に出現するレアアイテム8種類、計40種類にも及ぶ膨大な数のアイテムが存在します。対戦中『B+C』か『C+D』でアイテムを使用することが可能で、アイテム固有の効果を得ることができ、「体力回復」、「バリアを張る」、「防御力を一時的に上げる」など実に様々な効用があります。またアイテムとマナゲージを組み合わせることによって「アイテムバースト」という超必殺を使うことができ、コンボの強化等に重宝するため、どのアイテムを選ぶかで自分好みの戦術を構築することができます。
 そして各キャラには「専用装備アイテム」というものが設定されていて、これを該当するキャラが持つと武器のエフェクトが変わり、装備キャラの攻撃力や防御力などを劇的に強化することができます。また他パーティ2名分の枠の変わりにアイテムを選択することもできるので、1人にアイテム3つ持たせるということも可能です。専用装備キャラを作ってポイントゲッターにするか、補助系アイテムを選んでパーティ全員を底上げするか、またはお気に入りのキャラ一人をひたすら強化するか、というように好みと気分によって対戦の毛色を選べるのも大きな魅力です。

■相殺システム
 正式名称『ソード・インパクト・リアクション』と言い、このゲームの根幹というべき大切なシステムです。通常技のA〜C攻撃とダッシュ中のキャラの上半身、必殺技、一部マナバーストには攻撃判定の他にもう一つ「相殺判定」というものが設定されています。相殺判定がぶつかり合うと火花が散ってお互いの攻撃判定が消えると共に一時的に時間が停止します。これが「相殺」という現象です。この事を利用して通常技の判定や飛び道具をかき消し、ゲージを溜めたり削りダメージを回避することができます。

 A〜Cボタン攻撃とダッシュで相殺を起こした場合はニュートラルの状態に戻り、必殺技やマナバーストで相殺を起こした場合は出した技がそのまま継続します。これにより「ガード時には反撃できないような必殺技、マナバーストにダッシュの相殺で割り込んで接近し、技後硬直中の相手に反撃をする」という立ち回りが成立します。

 ここまでで一見するとダッシュが大安定行動で強すぎる印象を受けるかもしれません。しかし、これに対抗する選択肢がいくつか存在します。その一つがDボタン攻撃で大抵のキャラは脚で攻撃します。この攻撃は相殺判定を持たないもので、相殺を期待しつつダッシュで接近を試みる相手を迎撃することができます。

 このダッシュとDボタン攻撃の攻防がもっとも表れているのが、「対空」の場面です。このゲームの昇竜系の必殺技は無敵時間が存在しない上に発生の速さに難がある物がほとんどで、そのまま対空として使用すると相手のジャンプ攻撃と相殺を起こしてしまう可能性があります。前述の通り必殺技で相殺を起こした場合はそのまま技が継続するので、硬直中に反撃を受けてしまいます。

 そこで対空する側はまず一旦ダッシュで相手の飛び込みを相殺して流し、その後に昇竜技で撃ち落とすという方法が取られています。これに対して飛び込む側は相殺判定を持たないジャンプDボタン攻撃などを混ぜて単調にならないように立ち回ります。

 今回は、相殺を絡めた本作ならではの攻防をできるだけわかりやすく紹介するために「飛び込み・対空の駆け引き」の場面に絞りました。この他にも「相殺しても時間停止を起こさない技」や「必殺技仕込み通常技の対策」などにも相殺は関わっていて、対戦で発生するあらゆる事象・行動はこのシステムの上に成り立っています。

■おわりに
 とにかく相殺システムが秀逸です。相殺技と非相殺技の駆け引きは単純ながら奥深い読み合いを生みだし、単に派手な視覚効果というだけにとどまらず、マナバの連続相殺といったテクニックはできるかできないかで勝敗を大きく左右するという面も持ち合わせており、対戦していて本当に面白い格闘ゲームと言えます。
 キャラクターの作り込みも大変よくできています。各キャラは打撃攻撃力・魔法攻撃力、同防御力が設定されていて、対戦の相性やアイテム選択での重要なファクターとなっています。「あのキャラは魔防力が低いからこっちの魔法使いをぶつけよう」「このアイテムをもたせて防御力を更に上げよう」というようなやり込み要素にも繋がっており、さながら本当にファンタジーRPGをやっているようです。
 キャラバランス的にはダークエルフの二刀剣士ヴリトラが抜きん出て強いです。それ以外は相性最悪な対戦カードも一部存在しますが、キャラによっては専用装備を持つだけでランクが一つ上がるほど強化されるものもおり、アイテムとの組み合わせ次第で如何様にもなるので対戦バランスとしては及第点と言えます。
グラフィックは美麗でキャラもよく動きますが、やや独特のモデリングなため多少古臭く見られてしまうかもしれません。BGMは単体で聞くのにも十分なほど素晴らしいものが多く、重厚なファンタジーの世界観を見事に表していると思います。
 これだけ丁寧に作りこまれているゲームですが、残念ながら2008年現在、コンシューマー移植のアナウンスはありません。2005年1月に携帯アプリ版が配信されましたが、ファンとしては是非家庭用ゲーム機での移植が切望される一品です。

■余談
 KOF2001、2002等の開発元でもあるイオリス社は自社開発も行いますが、どちらかと申しますとパブリッシャーの性質を持つ企業のため、実際の開発は下請けが行っている可能性が高いと思われます。またイオリス社自体は、このタイトル発売以前である2003年の段階で、モバイルとオンラインゲームポータルに進出するためM-DREAM社を買収合併。しかしながら2005年にアーケード事業やモバイル事業の低調により、ゲーム業界外であるネットブレイン社、ニューロテック社に立て続けに吸収合併され、現在はアーケードやモバイルゲームから撤収しています。

■基本操作
行動 操作 行動 操作
弱攻撃 Aボタン 投げ 投げ間合いで or +Dボタン
中攻撃 Bボタン 受け身 ダウン直前に攻撃ボタン
強攻撃 Cボタン ヘルパー A+B or B+C
ブロウアタック Dボタン アイテム A+B or B+C or C+D
ダッシュ すばやく アイテムバースト +A+B or B+C or C+D (ゲージ1本消費)
バックステップ すばやく マナ・カウンター +Dボタン (ゲージ一定量消費)
ハイジャンプ すばやく マナ・バースト キャラクター固有コマンド (ゲージ一定量消費)
■イメージイラスト

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