D-XHIRD
ディ・サード
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3D武器格闘ゲーム/コマンド2D複合式
SS 開発:ネクステック 推奨度:− 発売:1997/05/30 amazon販売
CD-ROM 販売:タカラ 入手度:B 定価:5,800円
■公式リンク

(C) TAKARA CO., LTD. 1997
■私的レビュー/プレイ時間:やや長時間
 闘神伝の番外編と銘打って発売された作品。開発元は闘神伝URAを作成したネクステック。裏キャラでエイジ・シンジョウも出てきます。
 攻撃ボタンは弱威力斬り・強威力斬り・弱威力蹴り・強威力蹴りの4ボタン式。ガードタイプは、レバー反対方向もしくはボタンガードの選択式。自分の好みのほうを選べますが、ボタンガードの方がガードの切り替えが楽な為、ゲームがプレイし易いと思います。

 後期の闘神伝シリーズ同様、アクションも多彩を極めており、特に移動系統のシステムが充実。
・サイドステップ
 真横に移動し、相手との軸をずらす基本動作。スピンターンに繋げることも可能。
・スピンターン
 弧を描いて、相手の側面や背面に回りこむ。最大360度近く回り込むことが可能。
・サイドジャンプ
 真横に大きくジャンプ。軸をずらしながら、同時に相手との間合いを取るのに有効。
・壁・天井蹴り
 文字通り、ステージの壁や天井を蹴って、相手に攻撃を仕掛けることが可能。
・崖蹴り上がり
 崖のあるステージにおいて、リングアウト寸前に斜面を蹴って、ステージに復帰。
 ・・・リングアウトもある作品だけに、特に画面端での駆け引きが熱い作りになるよう、見事に構成されていると言って良いでしょう。

 また、この作品最大の特徴は、やはり「自主連」と「超ガード」の二つです。
・自主連
 少々難解な「自主連開始コマンド」の入力を行った後に発動できるオリジナルコンボのようなもの。好きな通常技の組み合わせで、コンボを組み立てられる。自主連初口中はガードレベルが減少していく諸刃の剣。
・超ガード
 ガードレベルを一定量消費して、相手を弾き飛ばすガード。発動タイミングを誤らなければ、かなり強力。

 自主連開始コマンドは、慣れるまで少々時間が掛かりますが、扱いこなせるようになると面白いですね。全体的に非常にゆったりしたテンポのゲームなのですが、自主連を発動した途端に急にスピーディーになり、その辺りのギャップも含めて、なかなかに面白い駆け引きを楽しむことが出来ます。

 しかし、肝心のゲームの完成度ですが・・・残念の一言。操作性はやや難。ゲームのバランスも取れているとは言い難いです。グラフィックは、同時代の作品に比べると粗が多く、キャラクターの動きにもリアリティが一切ありません。躍動感などはほぼ皆無といっても差し支えないでしょう。ボタンレスポンスも、ややアバウトに感じます。

 上記に記載しましたように、システム自体は非常に良いです。着眼点が大変に良く、発想も素晴らしい。・・・ただ、それを活かしきる為の技術力と、調整がなされていなかったのが惜しむべき点でしょうか。
 例えば、自主連のコンボを一通り発動させた後のガードレベル消費は激しすぎて、あっという間に武器破壊寸前に達してしまいます。そしてそのガードレベルが極端に少なくなった時には、それ専用の必殺技が各キャラ用意されているのですが、その威力がまた強烈だったりと、一度攻勢に回ると徹底してそちらに傾いてしまう傾向が強いです。その上、ガードレベルを消費しきって武器が破壊されてしまうと、また更に形勢逆転。波が大きすぎる対戦展開は、ある意味で手に汗握る対戦になるでしょう。この点をバランス調整不足の粗と見るか、ゲーム独自の味と見るかは、個々の判断が分かれ、非常に評価を下すのが難しいところですが・・・。

 それにしてもこのゲーム、格闘以外の要素でのポイントを稼ぎまくりです。エンディングは解説文が何も無いのに、インパクトの強いものばかり。無言劇で、物語をうまく表現しています。独特のタッチのCGもマル。オープニングも、相当良い出来。最初の時だけ、ポリゴン映像はありえないぐらいにクオリティが高いです。ストーリー上、沢山の伏線を引き、さらにその見事な手法でストーリーを表現しきった本作。ここまでしておいて、続編を出さないのは卑怯かもしれません(笑)。
 ゲームクリア後、エンディングとスタッフロールが流れた後に表示される「TO BE CONTINUE TO・・・ "2"」の文字に一縷の望みを託します。・・・もう何年も経っていますが、まったく続編が出る雰囲気はありませんね・・・(泣)。

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