■レビュー執筆:truth34様/プレイ時間:長時間 |
このゲームは大変な誤解と評価を受けています。曰く、「2をカラーにしただけ」「コマンドが簡単になっただけ」などと。馬鹿者ー、ちゃんとプレイせーい!!私は声を大にして言いたい。このソフトこそ、GB/GBC時代最高の格闘ゲームです!(GBでもプレイ可能というところもポイント)。
このゲームを発売した意図は、はっきり言って良く判りませんが、2から大きく進化したことは間違いないです。全く違うゲームに生まれ変わったといっても過言ではありません。ここでは餓狼伝説2がSPECIALになったときに近い、劇的な進化があったのです!キャラや基本システムは、餓狼同様ほぼ一緒です。グラフィックも、夕華(ブサイクだった勝ちポーズがやっと…)とミンミン以外はカラーになっただけで、ほぼ一緒です。エンディングも当然のごとく一緒です。一枚絵が中途半端に半数だけ変わってましたが。
では何が変わったのか…、それもほぼ餓狼と同様です。そう、キャンセルです!限定的だったキャンセルが格段に使いやすくなり、ゲームはよりスピーディかつオフェンシブになりました。それに伴い、使う機会の少なかった通常技は格段に増え、使い分けも重要になりました。通常技の隙が小さい攻撃が多くなり、かつ連続技で反撃可能になったため、強すぎたSTは弱まりました。さらに、通常技の使用頻度増加に伴い、それを刈り取るSDの重要度が増し、より深い駆け引きが求められるようになりました。
さらに、もっと大きな変化に、空中連続技の導入が挙げられます。これは非常に自由度が高く、バラエティも豊かで、なんといっても派手でカッコいいです!大味でなく、複雑なものを組むためには、画面での位置、相手との距離、相手の落下具合、技間での移動をしっかり意識する必要があります。もうこの完成度は、GBであることが信じられないレベルです。加えて、前作では使う必要の無かった大技(AB攻撃)も、浮かせ技、追撃技として重要度が飛躍的に増しました。出の遅い、秘奥義もここではおおいに活躍します。
確かに良い所ばかりではありません。前作までの悪いところは殆どそのままです。空中連続技も、A級、即死はそれなりに存在します。しかし、選択肢、スピード、爽快感、システムバランスが飛躍的に向上した本作の魅力には全然かないません。そう、あの名作、餓狼伝説SPECIALがそうであったように…。
ネオジオポケットも発売されていた時勢、全く注目されることはありませんでしたが、ゲームボーイ格闘の金字塔といっても良いと思います。是非ご堪能あれ。
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■ゲーム紹介 |
◆システム変更点
○キャンセル可能
今回の目玉の一つ。遠距離だけでなく、近距離、しゃがみ攻撃もキャンセル可になった。ただし、大技、昇龍キックは不可能。
○空中連続技
最大の目玉。必殺技や通常技だけでなく、気絶の吹っ飛びなど相手が空中にいるときは常に空中連続技のチャンスとなる。当てる技にも制限が無く、非常に自由度が高い。制限は、詳細はわからないが時間と必殺技を当てた回数で決まっているように見える。
○コマンド変更、体力1/4以下の表示
… 遅い!
◆新モード
○タッグマッチ
そのまま。順番の選択や、試合中の交代などは無く。順番に戦っていくのみ。
○A&D(アタック&ディフェンス)
攻撃側と防御側に分かれて競うモード。攻撃権は10秒ごとに入れ替わるが、防御側がST、SDで反撃できれば攻撃権を取れる。攻撃側は、通常技と必殺技1つ以外使えない。「SD、STがあるから、案外面白いんじゃ」、と期待したが、投げが使えず中段も無いため、しゃがみ待ちされると詰んでしまう。テストプレイしましたか?
○チャレンジモード(サバイバル、パーフェクト)
99カウントで何人倒せるかを競うモード。敵の体力は、3割程度から始まり、徐々に大きくなる。ただしCPUのレベルは最低で、防御力も通常より低い。サバイバルは、ダメージを食らってよく、次の試合に移る際に多少回復する。回復の度合いは、KO時の技の種類と、KOまでの時間で決まるように思われる。技はより上位(最高が秘奥義)、時間はより短いほうが良い。
パーフェクトは、攻撃を受けることを一切許されない厳しいモード。食らうことはもちろん、ダメージの無い通常技のガードでもK.O.となる。ありえないと思われるかもしれませんが、CPUの癖を知り尽くせば、10人は余裕、頑張れば20人以上も可。
○オプション
何故か消滅し、モード選択と同時に行われるようになった。レベルは5段階から、3段階に。ラウンド数、ラウンド時間、対戦時のステージは選択不可能になった。どう考えても必要ない変化なのですが…、頑張ったと思ったらすぐこれだ。
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■余談・小ネタ |
◆極悪連続技のススメ
このゲームの空中連続技は、通常技に関して回数制限が無い。そのため、画面端で相手を浮かせたのち、移動しながら立ちパンチで拾う、という退屈極まりないA級連続技が成立してします。しかも、殆どのキャラでこれができるから、さあ大変。
また、浮いている相手の着地直前に攻撃を当てるとなぜか地上くらいになる。これを利用すると、空中で単発の技を当てるより遥かに効率の良い連続技が完成する。一部のキャラでは、即死も可。ただし、必殺技の回数カウントは残ります。
この2点は、対戦では慎みましょう。具体的には、「空中連続技に使用できるのは、ジャンプAorB、大技、必殺技、秘奥義のみ。着地寸前に攻撃はしない。」というのが良いかと思います。これだけ制限をかけても、数多くの爽快な連続技を組み上げることが可能です。
◆オススメ空中連続技(わりと特殊で難しめなものを選びました)
○紅夕華 … (画面端)通常技×α 〜 気流投げ
〜 昇りジャンプA 〜 (ひきつけて)立ちAB 〜
雲づかみ
○鉄雄 … 通常技×α or 通常投げ(A) or ST
〜 捨て身突き 〜 壊骨撃 〜 砕岩列波道
○昇龍 … ラ・ゲブラータ(先端当て) 〜 (ちょっと前進して)立ちAB
〜 ソルティックダイブ
○パワーズ … (画面端密着)立ちAB or ST(2ヒット)
〜 スカイハイパワードロップ(2147+Bと入力すると良い)
○ジェニファー … (画面端付近)ライトニングウィップ(空中・着地直前)
〜 (ダッシュ〜)空中投げ
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