■ゲーム概要 |
大人気チームバトル格闘ゲーム「KOF」シリーズで正統の流れを汲む第11作目。「KOF2003」をベースに大幅な改良が行われているほか、新システム「クイックシフト」、「セービングシフト」を搭載。大規模なゲーム性の変革に挑み、結果的に非常に奥深い戦略性とゲーム性を確立した稀代の名作。チーム戦を採用した2D対戦型格闘ゲームの中でも、リアルタイム交代制の対戦形式を極めた、珠玉とも言えるタイトル。
|
■ゲームシステム |
操作はレバー8方向+「弱パンチ」、「弱キック」、「強パンチ」、「強キック」、「吹っ飛ばし」、「挑発」の6ボタン式。基本操作は以下をご覧下さい。
搭載されたシステム
▼パワーゲージ
攻撃など、キャラクターを動かすことで蓄積されて行くゲージで、超必殺技やリーダー超必殺技を発動するのに必要。
▼スキルゲージ
対戦中に、時間制で随時蓄積されて行くゲージで、後述の各特殊動作を使用するのに必要。
▼ジャッジメントインジケーター
対戦中にどちらが優勢かを表すゲージで、基本的には守っているよりも攻めている側が有利にジャッジされる。タイムオーバー時には、残り体力よりも優先して勝敗を決するシステムとなっている。
▼クイックシフト
スキルゲージを1本消費。攻撃の戻り動作をキャンセルして、別のメンバーと素早く交代することが出来るシステム。これを使って、チームメンバー同士で、攻撃を続けることが出来、強力なコンボを組むことが出来る。
▼セービングシフト
スキルゲージを2本消費。ダメージ中に無敵状態となって、別のメンバーと交代することが出来る。敵のコンボから逃れられる上に、隙なしで別のメンバーに代わることの出来る、究極の危機回避。
▼ドリームキャンセル
スキルゲージを1本消費。超必殺技ヒット中、もしくは相手ガード中にリーダー超必殺技を発動する。要するに超必殺技の硬直をキャンセルして、リーダー超必殺技に繋げるシステム。これにより、通常技キャンセル→必殺技スーパーキャンセル→超必殺技ドリームキャンセルといった連携が可能となった。
▼ガードキャンセルシフト
スキルゲージを2本消費。ガード中に無敵状態となって、控えのキャラクターと交代出来るシステム。
▼打撃キャンセル前転
スキルゲージを1本消費。攻撃ヒット or 相手ガード中にABボタン同時押しで発動。文字通り打撃の戻りモーションをキャンセルして前転が出来る。
|
■私的レビュー/プレイ時間:長時間 |
不評であった「KOF2003」をベースに、大幅な改良を行った名作。2003の失敗を全て修正し、名作へと再構築した見事なタイトルです。操作性の大幅な向上、システムの見直し、キャラクターバランス調整など、ありとあらゆる面が洗練されています。リーダーシステムや、交代システムを引き続き継承。それに加えて今回、新システムとして「クイックシフト」と「セービングシフト」を搭載。KOFがチーム戦であることを活かした、非常に素晴らしいシステムになっています。
クイックシフトを利用したコンボの爽快感は、2D格闘ゲーム史上髄一。そして更に、連続技の面白さに磨きをかけたのが「ドリームキャンセル」でしょう。スーパーキャンセルを更に進化させたもので、超必殺技をキャンセルして、リーダー超必殺技に繋げることが出来るシステム。スーパーキャンセルから繋げて発動することも出来るので、「通常技→必殺技→(スーパーキャンセル)超必殺技→(ドリームキャンセル)リーダー超必殺技」などという、豪快なコンボを構成することが可能になっています。当然、リーダーしか扱うことが出来ず、スキルゲージやパワーゲージが大量に必要になるため、乱発できるコンボではありませんが、この辺り、非常に駆け引きや計算が重要になってきます。一つの試合の中において、どのタイミングでスキルゲージや、パワーゲージを発動するかというタイミングを含めた駆け引きの熱さ。そして対戦の楽しさは素晴らしいモノが有ります。
そして、KOFXIの見事なところが、強力なシフトシステム、コンボシステムを搭載しながらも、スキルゲージは、時間制でストックされていくため、理不尽な試合展開になり難い事でしょう。スキルゲージのストック時間など、ゲームシステムから計算され尽くしたと思えるぐらいに、絶妙なタイミングで計られていて、こちらが超絶コンボが撃てるタイミングには、相手もセービングシフトを発動出来る頃合だったりと、こうした調整も絶妙というほかありません。まさに、チームとチームのぶつかり合いを、完璧に再現したKOFと言えるでしょう。
プレイを初めたばかりの頃は、クイックシフトを使った連続技の難しさに、辟易してしまう方もいらっしゃるようですが、一度このシステムを扱えるようになってくると、楽しさが一気に跳ね上がります。これほど極め甲斐のあるゲームは稀少なので、是非諦めずにプレイを続けてみてください。
このゲームの難点としては、まず時間。3人で戦うには、1試合辺り99秒は短く、タイムオーバーになってしまいがちだったのが、残念な点です。また、ゲームシステムの特性上、牙刀やクーラなど、高速の中段攻撃を持っているキャラが強くなってしまっているのも、バランス的に厳しかったでしょうか。それでも、対処策が全くない訳ではなく、KOF2003のDDコンビなどとは比べるべくも無いので、その点は安心して問題有りません。
アーケード版は、アトミスウェイブ基板であることが災いしてか、ビデオ筐体であるにも拘らず、長いローディングがネックでした。ところが、2006年6月22日に発売された、プレイステーション2版は、完璧以上の移植と大評判。ローディング時間の大幅な短縮に加え、7人もの人気キャラを追加。新ステージ、新BGM、アレンジモードの搭載など、ボリューム満点の必携ソフトになっていますので、こちらは大変にお勧めです。CPUの思考ルーチンも、かなり研究されていて、コンピュータとの対戦も面白いですし、MMBBシステムを使った通信対戦も魅力の一つでしょうか。
2D格闘ゲームのシステムが習熟してきたことを証明した、至高の一本。チーム戦システム採用の2D格闘ゲームの中では、今のところ最高峰といっても過言ではありません。
|
■基本操作 |
行動 |
操作 |
行動 |
操作 |
弱パンチ |
Aボタン |
小ジャンプ |
一瞬だけ要素 |
弱キック |
Bボタン |
中ジャンプ |
一瞬だけ要素の後、一瞬だけ要素 |
強パンチ |
Cボタン |
大ジャンプ |
一瞬だけ要素の後 or ダッシュ中に |
強キック |
Dボタン |
ノーマルシフト |
AC or BD ボタン同時押し |
吹っ飛ばし |
Eボタン |
緊急回避 |
or N or +ABボタン同時押し |
挑発 |
スタートボタン |
ダッシュ前方緊急回避 |
ダッシュ中にABボタン同時押し |
ダッシュ・ラン |
素早く |
受け身 |
ダウン着地寸前に or +AB同時押し |
バックダッシュ |
素早く |
通常投げ |
接近して or +C or Dボタン |
|
■登場キャラクター |
チーム名 |
キャラクター |
主人公チーム |
アッシュ |
オズワルド |
シェン・ウー |
ライバルチーム |
エリザベート |
デュオロン |
二階堂紅丸 |
京&庵チーム |
草薙京 |
八神庵 |
矢吹真吾 |
餓狼チーム |
テリー |
キム |
ダックキング |
龍虎チーム |
リョウ |
ユリ |
キング |
怒チーム |
ラルフ |
クラーク |
ウィップ |
サイコソルジャーチーム |
麻宮アテナ |
椎拳崇 |
桃子 |
K'チーム |
K' |
クーラ |
マキシマ |
エージェントチーム |
ヴァネッサ |
ブルー・マリー |
ラモン |
餓狼MOWチーム |
B.ジェニー |
牙刀 |
グリフォンマスク |
アンチ極限流チーム |
まりん |
藤堂香澄 |
如月影二 |
タイムリリース |
アーデルハイド |
天童凱 |
ジャズウ |
タイムリリース |
ズィルバー |
ショー・疾風 |
− |
ボスキャラクター |
紫苑 |
マガキ |
− |
PS2オリジナル追加※ |
不知火舞 |
Mr.BIG |
ロバート |
PS2オリジナル追加※ |
ギース |
タン・フー・ルー |
双葉ほたる |
※プレイステーション2版では、草薙京の別性能バージョンも追加参戦 |
■パッケージ画像 |
|
■関連商品 |
|