■ゲーム概要 |
同人サークル「渡辺製作所」及び「TYPE-MOON」が共同制作した対戦型格闘ゲーム「メルティブラッド」のアーケード稼動バージョン。開発はエコールソフトウェア、基板はセガの「NAOMI」を採用。同人ソフト追加ディスク「Re・ACT」に新キャラクター「蒼崎
青子」、「軋間 紅摩」、「ネコアルク(隠し)」を加え、各種バランスを調整。従来、ゲームセンター・アミューズメント施設と縁の薄かったパソコンゲームユーザをアーケードプレイヤーとして獲得し、大成功を博した。日本最大規模の格闘ゲームイベント「闘劇'06」、「闘劇'07」、「闘劇'08」の正式種目としても選出されている。
アーケード版は「Ver.A」、「Ver.B」、「Ver.B2」と三度のバージョンアップを実施。家庭用では「Ver.A」をベースにした「プレイステーション2」版、更に「Version
B2」ベース移植+4人対戦モードを搭載したWindows版が発売され、幅広いユーザ層を獲得した。
|
■ゲームシステム |
操作はレバー8方向+「弱攻撃」、「中攻撃」、「強攻撃」、「シールド」、「クイックアクション」の5ボタン式。基本操作は以下を参照。
■ゲージシステム
▼体力ゲージ
体力ゲージ枠内の黄色ゲージ。HEAT/BLOOD
HEAT状態で少しずつ回復するが、下記のヴァイタルソースを超えて回復する事は出来ない。
▼ヴァイタルソース
体力ゲージ枠内の赤色ゲージ。HEAT/BLOOD
HEAT状態での最大回復量を示す。ダメージを受けるごとに減っていき、相手の攻撃をガードしても少しずつ減少する。より強い攻撃を受けるほど大きく減少する。
▼マジックサーキットゲージ
EX技やサーキットスパークを使用するのに必要なゲージ。攻撃をヒットさせると増加し、最大300%まで溜める事が出来る。
■ゲージシステム
▼投げ
近距離にいる相手を投げる。空中可。レバー前後いずれか+ADボタン同時押し
or Eボタンとなっているが、レバーがどちらでも基本的に投げる方向は変わらない。
▼避け
レバー↓+ABボタン同時押し or Eボタンで、相手の攻撃を避けるモーションを発動する。
▼二段ジャンプ
ジャンプ中に空中でもう一度ジャンプをすることが出来る。蒼崎青子は三段ジャンプが出来る。
▼ハイジャンプ
通常より大きくジャンプし、遠くへ素早く移動が出来る。ハイジャンプ中でも、二段ジャンプ・空中ダッシュが可能。
▼シールド
相手の攻撃にあわせてDボタンを押す事で、シールドで攻撃を防ぐ事が出来る。一部のガード不能技はシールドで防ぐ事が可能。Dボタンを押し続けていれば効果は持続するが、マジックサーキットゲージを消費する。攻撃を受ける直前にシールドが成立するとEXシールドとなり、より有利な除去腕反撃が出来る。
▼シールドバンカー
相手の攻撃をシールドしながら反撃する。ガード中でもマジックサーキットゲージを消費する事によって、強制的に発動出来る。
▼レデュースダメージ
相手の攻撃がヒットした瞬間に攻撃ボタンを押すと、受けるダメージを若干軽減する事が出来る。
▼EXエッジ
必殺技をCボタンで入力すると、マジックサーキットゲージを一定量消費して、通常よりも強力な必殺技を出す事が出来る。ゲージが足りないときは、Bボタンを押したときと同じ技が出る。
▼ヒートエッジ
テンポ良く特定の順場印で攻撃ボタンを連続入力する事で、通常技同士を繋げて連続技にする事が出来る。ただし強→弱方向に繋ぐと攻撃力が極端に低下する。
▼ブローバックエッジ
特定の技は攻撃ボタンを長く押し続ける事によって、より強力な「ため攻撃」になる。技によっては、最大まで溜めるとガード不能技になる。
▼相殺
攻撃同士がぶつかると、技が相殺されて双方の攻撃が無効になる場合がある。相殺が発生すると、稲妻のようなエフェクトが表示される。
▼強制開放
マジックサーキットゲージ100%以上、300%未満のときに強制開放を行うとHEAT状態になる。この状態では徐々に体力が回復し、アークドライブが使用可能となる。またゲージが300%になるとMAX状態となり、このときに強制開放を行うと、より強力なBLOOD
HEAT状態になる。この状態では大きく体力が回復し、より強力なアナザーアークドライブとラストアークが使用可能となる。但し、どちらの場合もヴァイタルソースを超えて体力を回復することはない。時間が経過してゲージが無くなると通常の状態に戻る。
▼サーキットスパーク
マジックサーキットゲージを全て消費して、完全無敵の反撃を試みる。
▼アークドライブ
HEAT/MAX時にコマンドを入力する事で発動が可能。BLOOD
HEAt時に発動すると、より高いダメージを与える「アナザーアークドライブ」になる。MAX時にアークドライブを使用するとマジックサーキットゲージは100%分残るが、それ以外の状態で発動するとゲージを全て消費する。発動後は通常状態に戻る。
▼ラストアーク
BLOOD HEAT時に特定のEXシールドが成立すると発動する最終奥義。ラストアーク発動に必要なEXシールドの属性(地上
or 空中)はキャラ毎に異なる。
|
■私的レビュー/プレイ時間:やや短時間 |
同人格闘ゲームが、アーケード及びコンシューマという商業ベースに乗った、衝撃的な作品でした。現在でこそ、「アカツキ電光戦記 Ausf.Achse」、「モンスター エンシェントクライン」といった事例が有りますが、当時受けたインパクトは絶大なものがありました。
簡易なコンボ操作、シンプルながらも奥深いゲーム性が、見事にアーケード仕様に調整され、対戦が非常に盛り上がったタイトルです。操作性全体が簡略化されている割に立ち回りが面白く、空中コンボを含めた連続技の爽快感もお見事。アーケードでは3度に渡って丁寧な調整がなされているほか、コンシューマ・PC用にも移植されて高い評価を受けました。バージョンを通して操作性は良好。必殺技コマンドはシンプルなものが多く、コンボ操作も簡単。初心者でも気軽に楽しめるゲームバランスに仕上がっています。ドット絵や演出は地味ながらも、格闘ゲームとして重要なところは確りと抑えられた造りとなっており、ゲーム全体のバランスが良いですね。原作「月姫」ファンの方は勿論、格闘ゲーム初心者の方が、コンボゲーの導入としてプレイするのには最適なソフトだと思います。
|
■小ネタ |
アーケード版稼動初期において、従来あまりアーケードゲームの対戦台に慣れ親しまないプレイヤー層がゲームセンターに多く来訪。対戦は大いに盛況だったが、アーケード格闘ゲーム文化・ルールの「連コイン禁止」や「対戦台回し禁止」が理解されず、また一部観戦マナーが非常に悪かった事から、古参アーケードゲーマーとの確執が発生したというエピソードが色々と残されている。
|
■基本操作 |
▼操作基本一覧
行動 |
操作 |
クイックアクション |
Eボタン(※1) |
弱攻撃 |
Aボタン |
前進 |
レバー |
中攻撃 |
Bボタン |
後退 |
レバー |
強攻撃 |
Cボタン |
ジャンプ |
レバー要素 |
シールド |
Dボタン |
しゃがみ |
レバー要素 |
(※1) プレイステーション2版、Ver.B以降に追加
▼特殊動作一覧
行動 |
操作 |
ダッシュ |
素早く or +AB or E(空中可) |
バックステップ |
素早く or +AB or E(空中可) |
二段ジャンプ |
ジャンプ中にレバー要素 |
ハイジャンプ |
レバー要素の後に |
投げ |
相手の近くでor+AD or E(空中可) |
ビートエッジ |
特定の順番で攻撃ボタンを入力 |
ブローバックエッジ |
攻撃ボタンを長く押す |
避け |
+AB or E |
地上受け身 |
着地寸前にoror |
空中復帰 |
吹き飛び中にボタンいずれか |
シールドバンカー |
+D(空中可) |
EXエッジ |
必殺技をCボタンで入力 |
レデュースダメージ |
相手の攻撃に合わせてボタンいずれか |
強制開放 |
MSゲージ100%以上の時にAC or BC or E |
サーキットスパーク |
MSゲージMAX時、地上ガード or のけぞり中にボタンいずれか |
アークドライブ |
HEAT/MAX時に+C |
ラストアーク |
BLOOD HEAT時にEXシールド成立 |
|
■登場キャラクター |
キャラ名 |
声優 |
吸血鬼シオン |
夏樹リオ |
シオン |
夏樹 リオ |
暴走アルクェイド |
柚木 涼香 |
アルクェイド |
柚木 涼香 |
赤主秋葉 |
ひと美 |
シエル |
佐久間 紅美 |
メカヒスイ |
松来 未祐 |
遠野 秋葉 |
ひと美 |
七夜志貴 |
野島 健児 |
翡翠&琥珀 |
※下記 |
弓塚さつき |
南 央美 |
翡翠 |
松来 未祐 |
レン |
水橋 かおり |
琥珀 |
高野 直子 |
蒼崎青子 |
三石 琴乃 |
遠野 志貴 |
野島 健児 |
軋間紅摩 |
小杉 十郎太 |
有間 都古 |
倖月 美和 |
ネコアルク |
柚木 涼香 |
ワラキアの夜 |
増谷 康紀 |
白レン |
水橋 かおり |
ネロ・カオス |
中田 譲治 |
ネコアルク・カオス |
中田 譲治 |
※ネコアルク・カオスはPS2版で隠し、Ver.B2以降に通常参戦
※PC版にはCPU専用キャラ「ダミアン・アーミー」、「ネコカオス・ブラックG666」が登場 |
■関連ソフト |
|
■関連書籍 |
|