ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝
アート・オブ・ファイティング
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2D対戦格闘ゲーム/ウルトラリアルティックバトルアクション
MVS 開発:SNK 推奨度:A 稼働:1996/03/12
AC基盤 販売:SNK 入手度:− 定価:98,000円
ネオジオ 開発:SNK 推奨度:A 発売:1996/04/26 amazon販売
カートリッジ 販売:SNK 入手度:B 定価:32,000円
NG-CD 開発:SNK 推奨度:C 発売:1996/06/14 amazon販売
CD-ROM 販売:SNK 入手度:B 定価:7,800円
NG-CD 開発:SNK 推奨度:C 発売:1996/06/14 amazon販売
CD-ROM 販売:SNK 入手度:B 定価:8,800円
※限定版
PS2 開発:SNKプレイモア 推奨度:A 発売:2006/05/11 amazon販売
DVD-ROM 販売:SNKプレイモア 入手度:A 定価:4,800円
龍虎の拳〜天・地・人〜に収録
PS2 開発:SNKプレイモア 推奨度:A 発売:2007/06/21 amazon販売
DVD-ROM 販売:SNKプレイモア 入手度:A 定価:1,980円
龍虎の拳 〜天・地・人〜 The Bestに収録
PS2 開発:SNKプレイモア 推奨度:− 発売:2009/12/23 amazon通販
DVD-ROM 販売:SNKプレイモア 入手度:− 定価:9,980円
NEOGEOオンラインコレクション コンプリートBOX 上巻に収録
Wii 開発:SNKプレイモア 推奨度:− 発売:2011/08/23 amazon販売
DL 販売:D4エンタープライズ 入手度:− 定価:900円
Wiiバーチャルコンソール
公式リンク

(C) 1996 SNK
■私的レビュー/プレイ時間:やや長時間
 システムは2D格闘ゲームなのに、デザインが3Dポリゴンになっているというパターンは多く見かけますが、これは完全にその逆バージョンで、3D格闘ゲームのシステムを2Dで表現してしまった作品です。
 SNKの看板タイトルの一枚「龍虎の拳」の外伝という位置付けで、今までの作品の主人公「リョウ・サカザキ」の親友 兼 ライバルとして登場した「ロバート・ガルシア」が新主人公に据えられています。キャラクターも、主人公格のリョウとロバートを除いて一新。大幅に変わったゲームシステムを引っさげ、「龍虎」の新たなる道の模索を開始した作品と言えるでしょう。

 本作で龍虎らしいところといえば、気力ゲージぐらいのものでしょうか。必殺技を出すごとに、どんどんゲージを消費されていき、ゲージが無くなると、必殺技が出せない(もしくは威力が無くなる)状態になるのも、まったく従来通りです。挑発で相手の気力ゲージを減らしたりといった駆け引きも健在。ただ、どの技もゲージ消費が激し過ぎ、わりと簡単にゲージは尽きてしまうでしょう。この辺の仕様も従来通りです。

 グラフィックには、モーションキャプチャー(実際に人間の動きを取り込んでCGを作成する)を採用していて、リアルな動きを表現。3Dの動きを、完全平面の2Dで再現してますので、若干の違和感は有りますが、ドットの描き込みはかなりしっかりしていますし、アニメーションの枚数も多め。それで龍虎独特の大きなキャラクターがスムーズに動いていますから、完成度はかなり高いと言えるでしょう。「ART OF FIGHTING」の名は伊達ではありません。
 モーションキャプチャーを使っているせいか、通常技も全般的に発動後の隙が大きいものが多く、迂闊に出せない仕様となっています。必殺技も気力ゲージシステムの影響で連発できませんから、このゲームは、かなり慎重に攻撃を繰り出す必要があります。技を出すタイミングや距離感が非常に大事ですね。そういう意味でも、通常技が主体のゲームと言えるかもしれません。「捌き」システムの存在ひとつをとってみても、間合いとタイミングを最重視した、非常に緊張感のある駆け引きができる仕様になっています。
 ただ、だいぶやり込んでくると、ほとんどのキャラクターは「特定の浮かせ技→追い撃ち攻撃」がパターンとして確立します。そして、攻撃がワンパターン化してきてしまうのはある程度、自然の流れなのかもしれません。

 新システムとして、アルティメットK.Oがあります。相手の体力ゲージが残り少ない時に、超必殺技で止めを刺すと、アルティメットKOが発動し、1本目であっても2本とった扱いになり、その時点で「勝利」となります。おまけに相手の衣服を破いてしまうなど、なかなか豪快なシステムですね。

 総合しますと、SNK「らしくない」作品だったと言えるでしょう。どちらかというと、KOFのように、多少バランスが崩れていたり、アバウトなところが有っても、爽快感の高い作りになっているのが、SNK格闘ゲームの真骨頂でしたから、AOFのようなタイトルは、ネオジオユーザーには受け入れにくかったかもしれません。ゲームの感想の中には「モーションキャプチャーいらないから、キャンセルがかけられるようにして欲しい」等、身も蓋も無いご意見まで飛び出す始末でしたから、まるでこのゲームのコンセプトが理解してもらえていなかったのでしょう。

 世間的評価はかなり低い作品ですが、単純にコンセプトの方向性が当時のユーザーに受け入れられなかったというだけで、ゲーム自体は非常に丁寧に作り込まれていますし、格闘ゲームとして独自の方向性をきちんと確立できていた作品と言えます。好き嫌いはかなりはっきり別れると思いますけど、もう少し評価されても良い作品だと思います。

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