■ゲーム概要 |
東方Project第10.5弾作品で、「黄昏フロンティア」&「上海アリス幻樂団」のコラボレーションにより製作された弾幕アクションゲーム第2弾。天候システム、デッキ構築システムの導入により、ゲーム性を大幅に変化。飛翔システムの追加により、より自由に画面を飛び回ることが出来、前作より更にシューティング要素が付加された。
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■私的レビュー/プレイ時間:やや短時間 |
大手同人サークル「黄昏フロンティア」及び、老舗同人サークル「上海アリス幻樂団」のコラボレーションによって製作された対戦型格闘ゲーム「東方萃夢想 〜 Immaterial and Missing Power.」に続く第二弾で、東方Project第10.5弾に当たるタイトル。原作がシューティングであることを受け継ぎ、引き続き飛び道具が多い仕様となっており、ジャンルとしては「弾幕アクションゲーム」を掲げています。
操作はレバー8方向+「打撃」、「弱射撃」、「強射撃」、「飛翔」の4ボタン式。「拳」と「蹴」に分かれていた前作と異なって、今回は「打撃」のボタンに集約されたほか、「射」ボタンが弱と強の二種類に分別。そして「霊」のボタンが「飛翔」に変わって、Dボタンの使用頻度が大きく上がりました。これらのボタン仕様変更により、対戦型格闘ゲームに更なるシューティングゲーム要素が付加され、「弾幕対戦型格闘ゲーム」としての側面が強くなっています。基本操作の一覧はこちらをご参照下さい。
ゲームシステムの大幅な変更に伴い、ゲーム性も大きく変更されています。
▽天候
前作「東方萃夢想」と全く異なるのが、まずこのシステムの導入でしょう。「快晴」、「霧雨」、「曇天」など全15種類の天候が用意されており、その天候状態によって「スペルカードの威力増加される」、「必殺技を別の必殺技でキャンセル可能になる」など様々な条件が発動。キャラクター間に当然相性が存在し、例えば打撃重視の妖夢とスペル重視のパチュリーの対戦時、天候が「花曇(打撃属性の通常技が使用不可)」であるのか、他の天候であるかによって、戦局は大きく変わります。
▽デッキ構築
こちらも本作から初めて導入されたシステム。ゲーム中で取得したカードで、各キャラクター毎にデッキを構築。1種類のカードは最大4枚までセット可能で、20枚のカードデッキを作成。戦闘中は20枚のうち、5枚がランダムで画面下に配置。使用するとそのカードは消え、デッキに配置されているカードの中からまたランダムで補充されるという具合。使いたいカードは多めに配置しておけば、それだけ配置される可能性が高いものの、やや運に左右される面が強い部分もあります。
設置できるカードの種類は以下の通り。
■システムカード System Card
天候を変える「気質発現」、前作から存在するシステムである「霊撃」、「ガード反撃」、「体力回復」など、主にシステムに関わるカードで、全キャラクター共通。
■必殺技カード Super Art
各キャラクターが標準で使用が可能な必殺技を強化するカード。使用することで、最大4段階までパワーアップさせることが出来る。威力増大、弾数増加、攻撃判定の広域化など強化の内容は必殺技によって様々。
■特殊技カード Special Art
カードを使用することで、初めて使用出来るようになる特殊な必殺技。使用すると、同じコマンドの必殺技を上書きして習得。必殺技同様に、複数回使用することで最大4段階までパワーアップが可能。優秀な技が多いが、必ずしも必殺技より使い勝手が良いとは限らない。
■スペルカード Spell Card
所謂「超必殺技」。高威力の必殺技が多数揃っている。萃夢想の時には一符、二符と選択していたものが、今回はデッキに配置して相応のコストを払う事で、いつでも使用が可能に。1以上のコストを必要とするスペルの場合は、デッキで光っている別のカードも一緒に消費して発動することになる為、使用の際は注意が必要。
▽飛翔
専用ボタンが配置されていることから判るように、今作では「任意の方向+飛翔ボタン」を押すことで、空を自由に飛びまわることが可能に。操作1回毎に霊力を消費する仕様となっており、飛翔と空中ダッシュは、あわせて2回まで行える。
▽霊力
前作ではゲージでしたが、今回は5つの○(霊球)で表示。射撃・必殺技発動・飛翔動作・ガード方向を誤る・弾幕をガードすることで減っていき、一定時間使用しないことで回復。霊力が無いときにガード方向が違う攻撃を受ける、または弾幕をガードするとボーダークラッシュとなり、ガードが強制的に解除され、霊球が1つ赤丸状態になる。赤丸の霊球は、一定時間使用不可となる。
▽回避結界
相手の攻撃をガードしている時に飛翔ボタンを2回以上押すことで発動する、グレイズ付きの回避移動。方向キーを押しながら使うことで移動方向も変更が可能。
以上のように、前作とはガラリと異なったゲームに仕上がっています。ゲームの雰囲気は同じですが、戦うためのコツが大きく異なってくる為、前作をやり込んでいてもスムーズに移行するのは難しいでしょう。ここまで違うゲームに仕上げられたという、開発側の発想と努力は本当に多大なものがあると思います。
通常の格闘ゲームとは異なり、「多数の飛び道具で相手を追い詰めていく」という、対戦型格闘ゲームの中では極めて珍しいコンセプトを見事に実現しており、一般的な格闘ゲームとは大きく異なる戦略性を構築しています。
操作性は抜群で、キャラクターを気持ち良く動かすことが出来ますし、大人気「東方Project」の魅力的なキャラクターが、完成度の高いドット絵で可愛らしく躍動的に動く姿を見ているだけでも楽しいと思える素晴らしい仕上がりです。
カードを集めるコレクション要素に加え、リプレイの保存機能、オプションの充実。シリーズ共通のウリとも言える各種BGM(サウンド)の完成度の高さも秀逸で、メロディアスなものが揃っています。サウンドモードが搭載されており、条件さえ整えばいつでも好きな曲を好きなだけ聞けるのも嬉しいところですね。
各必殺技の種類も、レベルの概念を含めれば凄まじい数が用意されていることとなり、いずれも同人ソフトとは思えないほどのクオリティと大ボリューム。間違いなく、価格以上の大満足をもって遊ぶことが出来るでしょう。東方ファンのみならず、格闘ゲーマー&シューティングゲーマーであれば、絶対に抑えておきたい同人ソフトの中の珠玉と呼べるタイトルです。1年後には、本作のアペンドディスクとしても使用出来る「東方非想天則 〜 超弩級ギニョルの謎を追え」がリリースされています。
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■基本操作 |
行動 |
操作 |
行動 |
操作 |
打撃 |
Aボタン |
前ダッシュ |
or D+ |
弱射撃 |
Bボタン |
後ろダッシュ |
or D+ |
強射撃 |
Cボタン |
大ジャンプ |
素早く下要素から上要素 or D+要素 |
飛翔 |
Dボタン |
空中ダッシュ |
空中で or |
カード送り |
A+Bボタン |
受け身 |
ダウンまでにor+ボタン |
カード使用 |
B+Cボタン |
移動起き上がり |
ダウン中にor+ボタン |
回避結界 |
ガード中DD |
一時停止 |
スタートボタン |
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■登場キャラクター |
博麗 霊夢 |
快晴 |
霧雨 魔理沙 |
霧雨 |
十六夜 咲夜 |
曇天 |
アリス・マーガトロイド |
雹 |
パチュリー・ノーレッジ |
花曇 |
魂魄 妖夢 |
蒼天 |
レミリア・スカーレット |
濃霧 |
西行寺 幽々子 |
雪 |
八雲 紫 |
天気雨 |
伊吹 萃香 |
疎雨 |
鈴仙・優曇華院・イナバ |
晴嵐 |
射命丸 文 |
風雨 |
小野塚 小町 |
川霧 |
永江 衣玖 |
台風 |
比那名居 天子 |
極光 |
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■関連書籍 |
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■パッケージ画像 |
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■関連造型 |
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