■私的レビュー/プレイ時間:やや長時間 |
エイティングの獣化格闘ゲームの第4弾。エクストリームを含めると、5作目となります。DVDの大容量を活かしたハイクオリティな格闘ゲームとして完成しており、そのボリュームと娯楽性は極めて高く、プレイステーション2の対戦格闘ゲームの中でも特に名作・傑作と呼べるタイトルです。
新キャラクターに「ナギ/桐島
凪」(半獣人)、「レイジ/滝川
澪爾」(鴉)、「リョウホウ&マナ/真紫
羅緒&神城
眞那」(九尾の狐)が登場。人気キャラの進龍、マーベルは初期状態では使えないものの、シークレットキャラクターとして登場しますので、ファンの方は一安心。
CERO Dに設定されており、出血表現がやや過激になっているのも特徴の一つ。「コレハ格闘デハナク殺シ合イ」という見出し通り、若干残虐的な演出があります。もっとも海外の残虐格闘ゲームのそれとは比較になりませんし、リアリティが高い表現とはなっておりますが、それほど気持ち悪いと感じるほどではないと思われます。
稀代の名作と言われる初代・ブラッディロアとは、ゲームのベース部分を同じくしながらも、ゲームコンセプトや戦略性は大きく異なります。結局のところ、ブラッディロア2→ブラッディロア3と着実に獣化状態がパワーアップして人間状態との差が開き、結果今回も人間状態と獣人状態の能力差が激しいのですが、ゲームシステムを一部変更することにより、そのバランスを上手く調整しています。
前作からの変更点として最も大きな部分としては、やはり「ゲージシステム」でしょう。人間ゲージと獣人ゲージが別れているのは従来通りなのですが、仕組みが大きく変更されています。
◇人間の状態
・相手にダメージを与えたり、相手の攻撃を受けたりすると、獣人ゲージが少しずつ増える。
・獣人ゲージの残りがある時に○ボタンで獣化発動。
・獣人ゲージの残りがある時に○ボタンを押し続けると気合溜め状態になり、人間ゲージを減らして獣人ゲージを増加。
・獣人ゲージが満タンにならないうちに人間ゲージがゼロになると超獣化。
・人間ゲージがゼロになり獣人ゲージの残りがあると自動的に獣化。
◇獣人状態
・相手の攻撃を受けると獣化ゲージが減り、人間ゲージは減らない。
・獣人ゲージがゼロになり、人間ゲージの残りがある場合は自動的に人間状態に戻る。人間ゲージもゼロになるとそこでK.O。 |
今までは、人間ゲージがゼロになった状態でK.Oでしたが、今回は獣人ゲージが残っていれば獣化して生き残るというシステムになりました。人間時に獣人ゲージを溜めることで、事実上の体力回復が可能という形式となっています。そして獣化状態では、一部の必殺技を除いて人間ゲージを削られないので、人間状態の維持と獣化のタイミングを上手く使い分けることで、そのキャラクターのスタミナを最大限に活かす戦略が重要となってきます。
複数ラウンド制に設定されている場合、ラウンド終了後に人間ゲージが回復しますが、獣人ゲージは回復しないため、2本目以降のラウンド有利不利にも大きく戦略性、計画性が関わってくる事となり、対戦の駆け引きを含め、非常に面白いゲームバランスとなっています。
ダメージ計算も最初は大雑把に感じたものですが、やり込むうちにゲームシステムに沿った緻密な計算に基づくモノであることが窺い知れ、この辺りの完成度も高く評価出来ます。勿論、攻撃力(アタックレベル)等はコンフィグで細かに設定が出来ますので、自分好みに調整することも可能です。
操作性は相変わらず抜群。どのキャラクターも心地良く動かすことが出来るでしょう。レバー、ボタンを押していてこれほど気持ちの良いゲームは稀少です。更にグラフィックも従来のシリーズより遥かにハイクオリティに仕上がっており、時折挿入されるビジュアルシーンの美麗さも一見の価値有り。
ゲームモードも非常に充実しており、「ARCADE(アーケード)」、「TIME
ATTACK(タイムアタック)」、「VERSUS(バーサス)」、「TRAINING(トレーニング)」、「SPARRING(スパーリング)」、「SURVIVAL(サバイバル)」、「COM
BATTLE(コムバトル)」、「CAREER(キャリア)」と多数用意。特に注目なのは「CAREER
MODE(キャリアモード)」で、お気に入りのキャラクターをカスタマイズすることが出来るようになっています。ベースとなるキャラクターを選択し、数々のミッションをこなしてDNAポイントを取得。特定のミッションをクリアすることで入手できる「アビリティ(特殊能力)」をDNAポイントで購入し、装備することが可能です。これが思いのほか面白くやり込み要素十分です。
全体的に造りが非常に丁寧で、ゲームとしての完成度はハイクオリティ。ローディングも短く、ゲームモードも充実、操作性も満点。ブラッディロア2やや否定派の私でも、このタイトルは強く支持出来ます。ブラッディロアシリーズを遊ばれてきた方は勿論、格闘ゲームが好きな方には総じてお勧め。この完成度の作品が、アーケードで展開されなかったのは惜しくて仕方がありません。
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■裏技 |
◇隠しキャラ 出現方法
CAREER MODEにおいてDNAポイント貯めることで登場。
5,000ポイント |
進龍 |
10,000ポイント |
マーベル(ジャンヌ・ガドウ) |
30,000ポイント |
コウリュウ |
50,000ポイント |
ウラヌス |
100,000ポイント |
ドラゴン(リョウホウ) |
※注意 システムデータとCAREER MODEデータは別個となっていますので、CAREER
MODEから戻った後に一度システムデータのセーブを実行しないと、再起動した際に隠しキャラが消えてしまいます。DNAポイントは消えていないので、直ぐに再出現させることは可能です。
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■小ネタ |
本作の販促活動には、当時の人気アイドル「小倉優子」を起用。小倉優子が猫の格好をする「小倉優子
獣化計画キャンペーン」や「ゆうこりんフェスタへご招待」といったイベントを実施。ソフトの初回限定版には、小倉優子トレーディングカードが2種類中1枚付属していました。
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■関連グッズ |
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■パッケージ画像 |
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