ファイティングアイズ
Fighting Eyes
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3D対戦格闘ゲーム/新感覚格闘アクション
PS 開発:バンディット/ソラン 推奨度:− 発売:1998/12/17 amazon通販
CD-ROM 販売:ポニーキャニオン 入手度:C 定価:6,800円
■公式リンク

(C) 1998 PONY CANYON INC.
■私的レビュー/プレイ時間:かなり短時間
 ポニーキャニオンから発売された、色々な意味で衝撃的な3D対戦格闘ゲーム。初代プレイステーション・2D格闘ゲーム部門で最強のダメゲーといえば「ザ・マスターズ・ファイター」ですが、3D部門の最強のダメゲーがあるとすれば、恐らく「修羅の門」の次ぐらいにこの作品が挙がるのではないでしょうか。
 個人的な採点では、グラフィック、操作性、キャラクター、演出、ありとあらゆる面で落第点。キャラクターデザイン、イラストはそこそこに良いのですが、ゲーム上のポリゴンモデリングなどは絶望的な仕上がり。男性キャラクターは微塵も迫力が無く、女性キャラクターは1ミリも可愛くない。操作性の悪さ、爽快感の無さ、ローディングの長さ。誉めるべきところが見つけられないのが実に悲しいところです。

 操作はレバー8方向+「パンチ」、「キック」、「ガード」の3ボタン式。基本操作は以下をご覧になって下さい。操作系統自体は、王道の3D格闘ゲームにほぼ準拠。方向キーとR1ボタンの組み合わせで、特殊移動系を全て補っているのが特徴と言えるでしょうか。斜め下方向にレバーを入れると、前方向であれば「しゃがみ前進」、後方であれば「しゃがみ後退」するなど、意外と細かなリアクションをとることが出来ます。起き上がりもレバーで方向指定が可能ですね。

 ゲームシステムとして、ライフ(体力)ゲージ1本のほか、すぐ下に「ガードゲージ」なるものが存在。このゲームのウリのひとつである、コンビネーションブレイク(後述)に関わるゲージで、このゲージが無くなると相手の攻撃を弾くタイミングがシビアになるというシステムがあります。

 その他、特徴的なシステムを解説致します。
・コンビネーションブレイク
 相手ファイターの攻撃中にタイミング良くガードのボタンを押すことで発動。相手の攻撃をはじき、反撃のチャンスを作る。・・・はずなのですが、タイミングを見計らわなくとも、ガードボタン連打でもある程度成立してしまうような(汗)。

・コンビネーションアタック
 各コマンドを連続で入力することで、コンビネーション攻撃を発動。コマンドはひとつ先の攻撃まで先行入力出来る・・・はずなのですが、この受付のタイミングが恐ろしいほどにシビア。私のやり込みが少ないせいなのか、受付時間が異常に短いせいなのか、異様なほどに繋がりません。ボタンを連続押しすると、発動したモーションの硬直が完全に解けてから、先行入力した技が発動する・・・という何とも操作と結果が一致しづらい受け付け仕様に。

・バーストキャッシュゲージ
 相手ファイターの攻撃をコンビネーションブレイクする、攻撃を受ける、攻撃をガードすることにより少しずつ溜まっていくゲージ。ストックは1本のみ。ゲージの量が多ければ多いほど、後述の「バーストコマンド」の威力が上がります。

・バーストコマンド
 ゲージを消費して発動する、いわゆる超必殺技。ライフ系技とガード系技の二種類に大別されます。ライフ技系は、相手のライフゲージを大幅に減らす威力大の攻撃。ガード系技は相手のガードゲージを減らし、コンビネーションブレイクするタイミングを難しくするというものです。

・戦意喪失
 ライフゲージが残り僅かの状態で、バーストコマンドのライフ系技で大ダメージを与えると戦意喪失に。残りセット数に関係なく勝敗が決定します。龍虎の拳 外伝のアルティメットK.O.と同様です。

 こうして羅列してみますと、どこかで見たゲームシステムの寄せ集めではありますが、それなりにゲームとしてのオリジナリティ、システムを確立しようと努力した跡が見られます。しかし、前述したように致命的なまでの操作性の悪さ。モデリングのセンスの無さ。粗いポリゴングラフィックに、ヒロインの一人が有り得ないようなガニマタで戦うモーションの酷さ。演出、エフェクトが地味で爽快感が殆ど感じられない点。ローディングの長さ。3D格闘ゲームとしての完成度はお世辞にも良いとは言えません。
 オマケに説明書に、キャラクターの技表が掲載されておりません。ゲーム中で技表を確認することが出来ますが、表記の仕方が「左・左下〜」という具合で何とも判り難い。ユーザーフレンドリーの方向に動いていくゲーム業界の流れに、完全に逆行していく仕様はまさに天然のなせる所業でしょうか。
 これで定価6,800円(税込7,140円)は有り得ないでしょう・・・。メディア2枚組みという訳でもないのに、当時のソフト平均価格5,800円より、1,000円高い強気の価格設定は一体どこから。

 初期出荷本数が3桁と噂される本作。そういう意味ではレアタイトルかもしれません。確かに中古市場で見掛ける機会は少ないのですが、かといって本気で入手しようと思えば買えない事も無いという微妙なスタンス。中古市場ではその絶対数の少なさから、凡そ1,000円前後から高いところでは2,000円近い値が付けられています。とても内容に見合った金額ではありませんので、余程のマニアの方以外にはお勧めは致しません。

■基本操作
操作 行動 操作 行動
□ボタン パンチ →+R1ボタン フロントステップ
△ボタン キック ←+R1ボタン バックステップ
×ボタン ガード ↓+R1ボタン 画面手前に回り込む
□+× 投げ技 ↑+R1ボタン 画面奥に回りこむ
■余談
 本作を語る上で外せないのが、やはりパッケージの裏でしょう。素晴らしい文言が飛び交いまくっています。
国民よ割目せよ!そしてこの闘いを共に語り継ごう!
 ・・・刮目(かつもく)をかけたギャグなのでしょうか・・・。
拝啓フルポリゴン様(涙) なんと背景はフルポリゴン。超美麗なステージでの迫力バトル!カモメも飛んでるぜ!感涙!
 ・・・背景と拝啓をかけているのでしょう。白紙を折り曲げただけで作られたようなカモメが飛ぶよりも先に、大切にしなければならないことが沢山あるような気がします。

 中古で売っているのを見掛けたら、裏側だけでもチェックしておくと良いかもしれません(笑)。

■パッケージ画像
パッケージ画像
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