■ゲーム概要 |
SNK、SNKプレイモアの看板タイトルとなった、チームバトル対戦型格闘ゲーム「KOF」シリーズの初回作。「餓狼伝説」、「龍虎の拳」、「怒」、「サイコソルジャー」といった人気ゲームから、主人公達が集結。三人一組のチーム制で、勝ち抜き戦を繰り広げる。
ドリームマッチの話題性もさることながら、芸術的に描き起こされたドット絵、スムーズな操作性、練り込まれたゲーム性が噛み合って仕上がった、ゲーム総合完成度の高さが評判を呼んだ。KOFシリーズの原点であり、礎となった名作。
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■ゲームシステム |
操作はレバー8方向+「弱パンチ」、「弱キック」、「強パンチ」、「強キック」の4ボタン式。基本操作は以下をご覧下さい。
搭載システム
▼パワーゲージ
超必殺技を発動するのに必要なゲージ。ボタン3つA+B+C同時押しで、気合溜めモーションとなり、ゲージを上げることが出来るほか、攻撃を受けたりガードしたりすることでも少しずつ蓄積される。超必殺技を出すか、一定時間が経過するとゼロになってしまう。ゲージを溜める最後が、パワーゲージ溜めによるものであれば比較的長時間。削りなどで溜まった場合は短時間しか持続しない。
▼攻撃避け
ABボタンを同時押しすることで、避けモーションが発動。モーション中は無敵となり、飛び道具や打撃を回避するのに役立つ。ただし投げ判定は残ってしまう。
▼吹っ飛ばし攻撃
CDボタン同時押しで発動する攻撃で、各キャラ専用モーションが用意されている。当たると相手を吹き飛ばし、連続技にはならないが、確実に相手をダウンさせる事が出来る。空中でも出す事が出来るが、空中の場合は専用モーションは無い。
▼ガードキャンセル
5回以上連続ガードが続く状況において、ガードモーションをキャンセルして必殺技を出すことができる。
▼援護攻撃
文字通り、チームメンバーが乱入して助けてくれるシステム。プレイヤーキャラクターが気絶状態、若しくは掴み技(膝地獄、十字絞め等)を受けているときに、ABCボタン同時押しで発動。ただし体力ゲージが相手より少ないこと(劣勢であること)、チームメンバーが背景に表示されている事など、厳しい条件が付いている。
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■私的レビュー/プレイ時間:長時間 |
SNKの看板タイトルの一枚となった「KOF」シリーズの初回作。はじめてこのゲームを知った時には感動しました。まず「餓狼キャラ」と「龍虎キャラ」が戦えるというコンセプトが素晴らしいです。今でこそ、色々な作品のキャラクター同士が競演する「お祭りゲーム」は珍しくなくなっており、「CAPCOM vs.SNK」のように他社の作品同士の競演まで実現しましたが、当時受けたインパクトは絶大だったと言って良いでしょう。ワンプレイで3人ものキャラが扱えるというのも、お得感がありました。私がかつてもっとも熱中し、ハマった一本です。
同社の大人気格闘ゲームシリーズ「餓狼伝説」、「龍虎の拳」の2枚看板タイトルに加え、アクションゲーム「怒」より「ラルフ」と「クラーク」が。そして「アテナ」などに出演するSNK元祖ヒロイン「麻宮アテナ」、同「サイコソルジャー」に登場する「シイ・ケンスウ」等など、まさにドリームマッチの様相を呈しています。
ドット絵は新規に描き起こされており、アイレムの開発スタッフが関わるなど、当時としては芸術的な完成度に仕上がっていました。
ゲームとして特徴的なのは、龍虎の拳のようにパワーゲージ溜めが存在することでしょうか。もっともゲージの意味合いは龍虎とは全く異なり、必殺技を出すのにパワーゲージ(気力)が必要ということはありません。ゲージを溜めると一定時間キャラクターの攻撃力がアップ。また体力が赤ゲージ状態でなくとも、一回のみ超必殺技を発動することが可能に。駆け引き要素として、挑発により相手のパワーゲージを若干下げることが出来ました。
AB同時押しで発動する攻撃避けも特徴的なシステムのひとつ。一定時間無敵になる回避動作で、投げ判定は残るようになっています。CD同時押しでは、ふっとばし攻撃といって、相手を文字通りふっ飛ばし、強制的にダウンさせることが出来る技を出せます。それぞれ専用のふっとばしモーションが用意されており、通常技との使い分けは重要。殆どのふっとばし攻撃はキャンセルが可能となっています。空中でも出すことが可能ですが、空中ふっとばし専用のモーションはありませんでした(通常、空中Dと同モーション)。
その他、ゲームの特徴を簡単に箇条書きしてみます。
・技の判定の強弱に差が有り過ぎる印象がある。
・気絶が取り易い(ジャンプ攻撃→強攻撃系→必殺技系でほぼ確定)。
・ダメージ計算は比較的安定している。
・小技の連打が利く。
・避け攻撃にダメージが無い。
・ガードキャンセルは5回以上、削られた後に発動が可能。
・・・といったところでしょうか。
ダメージ計算については色々と異論があるかと思われます。確かにハイデルンの「相打ちのみOK」、「チャンの投げ」など、複数のバグこそありますが、それでも安定している部類に入ると思います。小技の連打が利きすぎることや、気絶が簡単に取れることから、状況によってはやや一方的な対戦展開になりがちであったことも否めません。
システムとしてシリーズ中唯一、チームエディットを行うことが出来ないのですが、それはそれで良かった気がします(そのほうが良かったかも?)。例えば怒チームを例にしますと、超強キャラの隊長ハイデルンに、部下クラスのラルフ・クラークがついているというパターン。この場合、強すぎるキャラ一人に、二人の通常キャラという組み合わせそのものが、その「チーム」の個性となります。これをエディットしてしまうと、3人組でも、結局個性は一人一人に帰してしまうことになります。それはそれで良いのかもしれませんが、正直「チームバトル」としての意味が希薄になっていると思います(確かに、1プレイで色々なキャラを使えると言うメリットはありますが)。そういう意味では、エディット不可の「'94」が一番純粋な意味でのチームバトルだったのではないかと思います。
2004年12月には、リメイク作品であるザ・キング・オブ・ファイターズ'94 RE-BOUTが発売。お祭り騒ぎゲームとしての完成度は実に秀逸な名作タイトルの一本です。
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■基本操作 |
行動 |
操作 |
行動 |
操作 |
弱パンチ |
Aボタン |
前ダッシュ |
すばやく |
弱キック |
Bボタン |
バックステップ |
すばやく |
強パンチ |
Cボタン |
大ジャンプ |
レバー↑要素を一瞬だけ入力 |
強キック |
Dボタン |
パワーゲージ溜め |
A+B+Cボタン同時押し |
攻撃避け |
AB同時押し |
挑発 |
離れた間合いでCボタン |
ふっとばし攻撃 |
CD同時押し |
味方の援護攻撃 |
特定の条件下でABC同時押し |
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■登場キャラクター |
チーム名 |
代表国 |
キャラクター |
主人公 |
日本 |
草薙京 |
二階堂紅丸 |
大門五郎 |
餓狼伝説 |
イタリア |
テリー |
アンディ |
ジョー・東 |
龍虎の拳 |
メキシコ |
リョウ・サカザキ |
ロバート |
タクマ・サカザキ |
サイコソルジャー |
中国 |
麻宮アテナ |
椎拳崇 |
鎮元斎 |
怒 |
ブラジル |
ハイデルン |
ラルフ |
クラーク |
スポーツ |
アメリカ |
ヘビィD! |
ブライアン |
ラッキー |
キム |
韓国 |
キム |
チャン・コーハン |
チョイ・ボンゲ |
女性格闘家 |
イギリス |
キング |
ユリ・サカザキ |
不知火舞 |
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■余談 |
KOFシリーズのオリジナルキャラクターとして登場した、主人公チーム(日本チーム)の草薙
京、二階堂 紅丸、大門 五郎。日本チームということもあってか、なかなかに洒落の利いた必殺技の特徴がなされています。
世の中の怖いモノ「地震(大門)、雷(紅丸)、火事(京)、親父(柴舟)」・・・なかなかユーモアに富んでいる設定だと思います。
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■裏技・小ネタ |
▽投げのダメージ変化
麻宮アテナ、鎮元斎、ブライアン・バトラーにおいて、投げの後相手がバウンドするのに合わせて技を出すと、ダメージが出した技と同じになる。投げの後に超必殺技を出すと超必殺技のダメージに。ミスをして通常技になると、通常技のダメージとなってしまう。'95でも引き続き登場している麻宮アテナ、鎮元斎では同現象が起こる。
▽飛び道具連射
飛び道具の弱を出し、硬直が解けた直後にダッシュかバックダッシュをして飛び道具を撃つ。はじめに撃った弾が画面に残っている間に、次の飛び道具の発射モーションになれば成功。
▽スタッフロール
ノーコンティニューでクリアをするとスタッフロールが表示される。
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■収録タイトル |
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■パッケージ画像 |
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▼移植ハード一覧
ザ・キング・オブ・ファイターズ '94
マルチビデオシステム(MVS)
ネオジオ
ネオジオCD
バーチャルコンソール
プレイステーション2(Re-Bout)
プレイステーションポータブル(収録) |
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■関連商品 |
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■関連書籍 |
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