■ゲーム概要 |
剣戟対戦型格闘ゲーム「サムライスピリッツ」シリーズのナンバリングタイトルで、アーケードにおける第10作目。アーケード基板には「TAITO
Type X2」を採用。販売はSNKプレイモア。開発は「天誅」シリーズでも有名なケーツー(K2)スタジオ。正統派ナンバリングの2Dの流れから逸脱し、3Dポリゴンの剣戟格闘ゲームとして仕上がっており、最初に触った印象では一般的な3D武器格闘ゲームに限りなく準じてはいるが、やり込むと「侍魂」らしさが垣間見える。ゲームバランスの面でも評価が高い。
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■ゲームシステム |
操作はレバー8方向+「横斬り」、「縦斬り」、「蹴り」、「特殊動作」の4ボタン式。基本操作は以下をご覧下さい。従来であれば「弱斬り」、「強斬り」といったボタン配置になっていたものが、3Dという方向性を活かしてか「縦斬り」、「横斬り」に切り替わっているのが大きな特徴のひとつ。以下に特徴的なシステムを紹介します。
▽怒り爆発
怒りゲージが満タン時にA+B+Cボタン同時押しで発動。ゲージが無くなるまでの間に+B+Cボタンで「怒り爆発技」が使用出来る。
▽ガード不能技
A+B+C+Rボタン全部同時押しで発動。文字通りガードが出来ない重い攻撃だが、一般的に発動が遅く隙が多い。
▽弾き
上段弾き、下段弾きが存在し、レバーガード方向+Rボタンで発動出来る。
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■私的レビュー/プレイ時間:かなり短時間 |
SNKの看板である剣戟対戦型格闘ゲーム「サムライスピリッツ」シリーズのナンバリングタイトルで、アーケードにおける第10作目。3Dポリゴンサムライスピリッツというカテゴリで括ると、家庭用のサムライスピリッツ新章 剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃を含め第4作目となります。商業的な意味では失敗に終わった、ハイパーネオジオ64のポリゴン侍魂シリーズ2作のリベンジ的側面を持つタイトルであり、本来2Dで人気のあったサムライスピリッツをあえて3Dグラフィックで挑戦した意欲作。アーケード基板には「TAITO
Type X2」を採用。販売はSNKプレイモア。開発は「天誅」シリーズでも有名なケーツー(K2)スタジオです。
イラスト担当に、ポリゴン侍魂2作を手掛けた「北
千里」氏を起用。またサムライスピリッツ天下一剣客伝で一新された声優陣も、本作ではほぼ従来通りのキャストに戻っています。
新主人公の「鈴姫」、「猛千代」をはじめとして、新キャラクターが多数参戦。ボスを含めて全26キャラクター中、半分の13名が新キャラクターという大改革が行われています。勿論、従来シリーズの人気キャラクターである「覇王丸」、「ナコルル」、「柳生十兵衛」といった面々は参戦しており、旧作ファンも納得の顔触れ。「閃」を新しいポリゴンサムライスピリッツの起点として考慮すると、初回作より26キャラクターと言う大ボリュームは、十分賞賛に値するでしょう。
他にゲームの特徴的な部分としては、必殺技コマンドが大きく変更されていることでしょう。2D格闘ゲームでいうところの「波動拳コマンド」、「昇龍拳コマンド」が「→→+斬」といったような簡易なものに変更されているケースや、コマンド入力後にボタンを連続して押すなどの技が多く、操作感覚は従来のサムライスピリッツとは大きく異なります。また特定のボタンをタイミング良く押して行くことで発動する「コンボ」的な部分が強化されていたり、飛び道具系の必殺技が殆(ほとん)ど無くなっている等、所謂「ソウルキャリバー」をはじめとした、一般的な3Dポリゴン武器対戦型格闘ゲームに性質が近くなっています。
もっとも、ボタン同時押しで発動する「大斬り」による一撃の重みや、天草降臨から搭載された「一閃」など、サムライスピリッツらしいシステムは確りと搭載されております。極限までに間合いを考慮した上で、読み合い要素を充実させていると言うスタンスは、まさしく「サムライスピリッツ」そのものであり、対戦ツールそれ自体の評価は決して低くはありません。
海外でも発売されており、海外販売名は「SAMURAI
SHODOWN EDGE OF DISTINY」。洋モノ格闘ゲームの傾向に拠ってか、こちらには日本版に存在しない残虐表現が派手に付け加えられており、体の部位の切断や流血表現が派手になっています。キャラクターが苦しむ、痛がる表現を含め、描写がかなりリアルであり、もしこれが日本国内で販売されていたら、また別の趣向を持って評価されていたかもしれません。実際、一部の国内のゲームセンターにおいては、海外版を逆輸入して稼動させるケースもあったようです。もっともこの点においては、当然のことながら意見が大きく二分する部分である為、賛否を論じるべきところではないかもしれません。
グラフィックは美麗な部類に入るのですが、重厚さや質素さを重視した見返りに、やや地味な仕上がりになっています。キャラクターのアクションやエフェクトの類も総じて派手さに欠けた仕上がりとなっている為、世間的な評価はやや低め。サムライスピリッツらしい雰囲気は良く仕上がっているのですが、好みが分かれる結果になってしまっています。
ゲーム性の転換の影響か、従来のサムライスピリッツプレイヤーの支持を完全に得ることは出来ず、更には新規ユーザー層を取り込むことも出来なかった為、アーケード市場では早々に姿を消してしまいました。その後一部のユーザ層において、対戦ツールとしての高い評価を得ていましたが、一度集客に失敗したタイトルの典型的ルートを辿ってしまった不遇の作品です。
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■基本操作 |
行動 |
操作 |
行動 |
操作 |
横斬り |
Aボタン |
投げ |
間合いでRボタン |
縦斬り |
Bボタン |
後方投げ |
間合いでRボタン+ |
蹴り |
Cボタン |
ステップイン |
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特殊動作 |
Rボタン |
踏み込み(ダッシュ) |
(入れ放し) |
横大斬り |
A+Bボタン同時 |
引き込み(バックステップ) |
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縦大斬り |
B+Cボタン同時 |
ガード不能技 |
A+B+C+Rボタン同時押し |
軸移動(奥) |
N |
受け身 |
着地寸前にA+B+C |
軸移動(手前) |
N |
怒爆発 |
怒ゲージがMAXの状態で A+B+Cボタン同時押し |
弾き(上段) |
+Rボタン |
挑発 |
A+B+Cボタン同時押し(怒ゲージが溜まっている時は不可) |
弾き(下段) |
+Rボタン |
一閃 |
体力ゲージが赤点滅時にA+Bボタン同時押し |
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■オリジナルサウンドトラック |
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■登場キャラクター |
旧キャラクター |
新キャラクター |
覇王丸 |
服部 半蔵 |
鈴姫 |
アンジェリカ |
橘 右京 |
千両 狂死郎 |
猛千代 |
ヴァルター |
ナコルル |
柳生 十兵衛 |
ガロス |
ブラックホーク |
リムルル |
シャルロット |
キム・ヘリョン |
菅又 刃兵衛 |
ガルフォード |
風間 火月 |
キリアン |
ドラコ |
牙神 幻十郎 |
風間 蒼月 |
クロード |
ゴルバ |
王虎 |
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J. |
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■パッケージ画像 |
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商品:サムライスピリッツ閃
機種:Xbox 360
販売:SNKプレイモア
発売:2009年12月10日
価格:7,140円
媒体:DVD-ROM
ASIN:B00275FJPM
CERO:B (12歳以上対象) |
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