2012年9月16日、大阪府高槻市にあるゲームセンター「リブロス高槻店」でCHAOS CODEの全国大会 【C5】 -CHAOS CODE CRAZY CHAOTIC CARNIVAL-が開催され全国から集まったプレイヤー達が激戦を繰り広げた。今回はそのレポートをお届けする。
(取材・撮影・レポート執筆:わたも)
◆全国各地で開催された予選大会、勝ち上がるのは誰か?
2012年9月16日、大阪府高槻市にあるゲームセンター「リブロス高槻店」でCHAOS CODE初の全国規模の大会となる【C5】 -CHAOS CODE CRAZY CHAOTIC CARNIVAL-が開催された。今大会は中野TRF・メディアパークとリブロス高槻店、2店のゲームセンター主催で開催された。ユーザー企画・主動の大会ながらもかなりの規模のものとなり、全国各地で7月から予選が開催された。予選が開催された場所を見てみると北は北海道、南は福岡まで12店舗で開催され、当日予選や後述する特別出場選手を除くと22名が予選大会を通過し、決勝大会会場となるリブロス高槻店に集まることとなった。今回は特別に予選の総評を頂いたのでそれを掲載させていただく。
※注意※この総評はまだ決勝大会が終わる前に書かれたものです。(執筆者なんぽん)〔敬称略〕
・予選総評
7月下旬より全国各地で行われた店舗予選、序盤は強力と評されるキャラクターが多く店舗予選を抜けていったものの、最終的に当日予選を除いた全店舗予選が完了した時点で、ケット&シー以外の全キャラクターが決勝大会へ駒を進めている現状に、カオスコードの「尖った個性を発揮すれば全キャラクターが前線で戦える絶妙なバランス」が垣間見えたのでないかと思います。プレイヤーが自身でトーナメントの場所を選べるK-1方式を採用した決勝大会ではいわゆるかぶせも多く発生し、サーベラス、ルイなど相性の悪い組み合わせの少ないキャラクターが活躍する事は予想できますが、全国的に対策されていない、レアキャラ使いの躍進にも期待が持てるでしょう。
当日予選を前にして、実力的には十分ながら、いまだに決勝大会を決めていない強豪プレイヤーも多く残されているため、決勝大会を制するプレイヤーはまだまったく予想の付かない状況です。カオスコードは稼動一年が経った現在も、日々新しいコンボやテクニックが見つかっている奥の深いゲームです。決勝大会に向けてネタを隠しているプレイヤーも少なくないと聞きます。全国のカオスコードプレイヤーが大阪に集まる混沌の祭典、決勝大会ではプレイヤー達の一年のやり込みの集大成をぜひご覧ください。
以上
総評にもある通り混沌の祭典である今大会がどのような結末を迎えたのか?そこには様々なドラマが待ち受けていた。
※CHAOS CODE ってどんなゲーム?
ここで一度CHAOS CODE を知らない人にCHAOS CODE について簡単に説明させていただこう。CHAOS CODE はFKDigital Pty Ltd.が開発、アークシステムワークスの販売によって2011年8月より稼動している格闘ゲームだ。プレイスタイルに合わせて好きな必殺技を二つ追加することができる「スキルセレクトシステム」や発動中はライフゲージが徐々に回復したりゲージ消費技を無限に使用可能になるなど様々な効果が得られる「エクシード・カオス」、といったシステムが豊富でかつ重要なゲームである。駆け引きはシンプルなものになっており、コンボの爽快感もある。安定行動が正解とは言えないゲーム性になっており、読み合いが強いプレイヤーがこのゲームにおいては強いといえるだろう。またどのキャラも強い技なり強い行動を持っているので、ある程度どのキャラでも戦えるようになっている。
少しゲーム内容とは話が逸れるが、なんぽん氏にお話を聞いたところマイナーゲーム特有の苦労もあるようだ。「やっぱりみんな対戦相手がいなくて寂しいみたいですね。」しかしそれがプレイヤーコミュニティ発展の原動力となったという。「どこかでカオスコードの大会やイベントがあると聞くと遠征勢が盛り上げに来てくれるんです。また積極的に大会や対戦会の配信も行っていて、みんなでこのゲームを盛り上げようとしてくれています。」事実、CHAOS CODE のコミュニティは暖かく、みんなでワイワイ盛りようという雰囲気に自然になっている。こういった暖かさが全国大会を開催するまでの力となったのだろうか?
総評にも書いてあったがCHAOS CODE にはまだ掘り尽くされていない奥底がまだ眠っている。まだまだ今からでも始められるゲームなので興味を持たれた方は一度ゲームセンターでプレイしていただきたい。
◆緊張の当日予選、店舗対抗戦……そして投票枠の結果は?
そして決勝大会当日朝の10時には当日予選に参加するために全国からプレイヤーが集まり参加人数は50名以上となった。また、当日予選参加者及び決勝大会参加者にはFKDigitalからサプライズプレゼントが。なんと完全書き下ろしのポストカードがプレゼントされたのだ。これには参加者も驚きの声をあげ、会場は大盛り上がりとなった。 当日予選も決勝大会と比べても劣らないほどの好勝負が繰り広げられたが、その中を勝ち進んだのはピチカート(セリア弐式・改) 、おるる(ルイ) 、ふじい(ブラボー)、みっちー(ルイ) の4人となった。(敬称略、順不同)
その後は決勝大会前の余興として「中野TRF・メディアパーク」と「リブロス高槻店」との対抗戦が開催された。これは中野TRFとリブロス高槻店の代表五名にその場にいるプレイヤーを指名で5人交互に選んで(特に選ぶ選手に規定はない)10名のチームを作り勝ち抜き方式で10人を先に倒したチームの勝利となる、という方式だ。中野TRFチームはモミアゲ、ひげ、ピチカート、ふじい、dis、ゆーき、かずクネ、てつざんこー、じたん、ツジ。そしてリブロス高槻チームはなんぽん、乱レボ、卍、みね、PTC、ゆあ、海人、みつる、はしも、ろくろとなった。
対抗戦はPTC(ルイ)が4人を倒しリブロスチームの優勢かと思われたが、余裕を見せたリブロスチームがPTCを下げてしまう。ここから中野TRFの反撃が始まりピチカート(セリアⅡ改)が4連勝したことで一気に追いつかれてしまう。ここでリブロスチームの泣きの土下座が入り、ピチカートが交代。しかしこれが流れを変えてしまったか、中野TRFは大将てつざんこー(カトリーヌ)まで追い詰められ最後はゆあ(ルイ)が勝負を決め、リブロスチームの勝利となった。また対抗戦終了後に乱レボ対ひげ(サーベラス)のエキシビジョンマッチも行われ、最後まで笑いの尽きない決勝大会前の素晴らしい余興となった。
対抗戦終了後は特別出場選手の発表が行われた。特別出場選手は当日予選に参加したプレイヤーの中より選ばれ、投票は決勝戦に出場を決めたプレイヤー(26名)により行われる。(当日勝ち抜け含む)投票は1名につき決勝戦に出場するに相応しいと考えるプレイヤー4名に投票し、投票の結果、上位二名が決勝戦に参加する権利を得ることとなる。
勿論相談、談合などは一切禁止のこの投票。珍しい試みではあるが色々なプレイヤーの思惑の中選ばれたのはdis(クティーラ)、ツジ(篝)となった。二人は圧倒的な投票数で選ばれた。disは予選に10回以上参加するほどのやる気を見せた人物。ツジは運営に積極的に参加するも、予選を通過できずくやしい思いをしていた。そんな二人が特別出場選手として選ばれたことはこの投票が正しく機能したことを示しているだろう。
そして特別出場選手と当日予選の選手を合わせた28名でついに決勝大会が開始することとなった。
◆決勝大会開始!CHAOS CODEプレイヤーの頂点に立つのは誰だ!
すでに当日予選から4,5時間が経っていたが、疲れを見せるどころか更に盛り上がる決勝大会会場の雰囲気はここに集ったプレイヤー達のこのゲームにかける意気込みや愛を見せ付けていた。決勝大会は序盤からハイレベルな試合が展開された。まず注目となったのは関西・光使いの雄、乱レボとゆあの試合だ。決勝大会の組み合わせはK-1方式の指名制で決められたが、ゆあが直ぐに乱レボを指名。「指名制と聞いた時から指名しようと思っていた」と後にゆあが語ったこの試合、因縁の対決となり、結果はゆあの勝利となった。1回戦と準々決勝が終わった時点で28人から一気に4人に減り、ベスト4が決まった。ベスト4まで勝ち進んできたプレイヤー達は当日予選からここまで勝ち進んだピチカート、主催運営側でありながらもここまで勝ち進んできたモミアゲ、関西勢でただ一人ベスト4に残ったゆあ、対抗戦のエキシビジョンで素晴らしい実力を見せたひげ、以上の4名となった。
準決勝、まずぶつかりあったのはピチカートとモミアゲ。普段同じ店でプレイしているだけあってお互い手の内を知り合っている相手同士の戦い、通常の読み合いだけではない特殊な読みあいも発生するかと思われたこの試合であったが、ミスが少し目立ったモミアゲの隙をついたピチカートの勝利となり決勝に進出。同じく準決勝、ゆあ対ひげは互いに展開の速い素晴らしい戦いを見せたが、最後の最後でゆあが決めきり決勝に進出となった。その後、モミアゲ対ひげで三位決定戦が行われモミアゲが勝利、中野TRFに錦を飾った。
そして最後の闘い……決勝大会の決勝戦はピチカート対ゆあ、最後の戦いの幕が上がった。「ここで勝って気持ちよく帰りたい。」と決勝前にコメントしたピチカートが序盤から押していく展開、「僕が勝って改ちゃん(セリアⅡ改)が弱キャラだと証明します。」と語ったゆあが押される展開。中盤ゆあが巻き返しを図るも最後はセリアⅡ改とピチカートの堅い立ち回りに押し出される形で敗北。ピチカートがこの長き戦いを制し、優勝を果たした。
優勝後には賞品の授与があった。まずは1~3位までにFKDigitalよりオリジナルイラストが描かれたサイン色紙が、1位のピチカートにはさらに有志の方によるオリジナルのクティーラのフィギィアが贈られた。更にサプライズとしてFKDigitalからスペシャルコメントが届けられ、なんぽん氏が読み上げた。(以下その原文)
プレイヤーの皆様いつも弊社のゲームをご利用頂きありがとうございます。また、たくさんのサポートをして頂きありがとうございます。これからも、次のカオスコード(?)も、どうぞ宜しくお願いいたします。
regards FKDigital Mickey Lin
このようなサプライズもあり大会は大盛り上がりの中終了となった。
◆プレイヤーインタビュー
大会終了後、優勝したピチカート、準優勝ゆあ、3位のモミアゲにインタビューを行った。その様子をお届けする。(インタビュー:わたも)
・モミアゲインタビュー
―三位決定戦についてお伺いします。如何だったでしょうか?
モミアゲ(以下モ):普段からよく対戦している方でマイクパフォーマンスもあって……ひげさんとは勝率も五分なのでかなり緊張はしてましたね。自分なりに無理矢理煽りながら緊張しないように……ただピチカート君に負けた時点で変な緊張は無くなってたんですけどね。
―予選から大会に参加してみて如何でしたか?
モ:自分が主催側なので本当に参加してくれて嬉しくて、北海道とか地方にも行ったんですけど、大会を開けるぐらい人数が集まっていただいて。色んなこと含めて個人的には楽しくて嬉しかったです。
―最後に一言お願いします。
モ:応援してくださった方が何人いるか分かりませんが、(笑)もしいたら本当にありがとうございました。あと、TRF的にも常連のピチカート君が優勝してくれてありがとうございましたと。参加してくださった方も本当にありがとうございました。
―ありがとうございました。
・ゆあインタビュー
―準優勝おめでとうございます。
ゆあ:ありがとうございます。
―大会に参加した感想をお願いします。
ゆあ:僕、結構始めの方の予選で切符とれて「これはもう優勝狙うしかない。」と思いました。K1方式っていうのが発表されて、絶対乱レボの隣に行くって決めてて……僕にとってカオスコードをやる意味っていうのが乱レボを倒すことなんです。だから一回戦で乱レボを倒して優勝するしかねぇ!って感じでやってきたんです。決勝でピチカートさんに負けたけど悔いはないです。
―乱レボさんとの対戦に勝利して満足したということはなかったんでしょうか?
ゆあ:いえ、満足したというよりはその後の対戦が落ち着いてできたというのが大きいです。あと二回戦のかずクネさんヴェインは今は大阪勢になってしまわれたんですが、元々ガオラ勢で。それが最高の舞台で対戦できて良かったなぁと思いました。
―準優勝した感想をお聞かせください。
ゆあ:優勝できなかったというのは残念なことですけども、準優勝という結果はすごく良い成績だと思うので、純粋に嬉しいです。
―最後に一言お願いいたします。
ゆあ:ルイ使いのみんな最後決勝で負けてごめんなさい。でも頑張ったので許して!
―ありがとうございました。
・ピチカートインタビュー
―優勝おめでとうございます。
ピチカート(以下ピ):ありがとうございます。
―大会に参加された感想をお聞かせください。
ピ:こんなに80人近くですか?プレイヤーがたくさんいて本当に盛り上がっている大会っていうのがないので楽しかったです。
―決勝までの対戦で苦しかった戦いや注目の対戦などはあるでしょうか?
ピ:店長(モミアゲ氏)との一戦ですね。何だかんだ因縁はあったので。(笑)勝因は勝ち確を逃してもらったというのはありますけど、そこから落ち着いてペースを取り戻せたのは大きいですね。
―決勝のお話をお聞かせください。どういう気持ちで決勝に臨まれましたか?
ピ:そうですね、まず野試合で大幅に負け越していて、3onの時は荒らしてみて勝てなくて……「じゃあどうしよう?」ってなったんですけど、とりあえず落ち着くっていうのが一番大事だということが店長の試合で分かったので、落ち着けるいつもの堅い立ち回りを意識していました。
―優勝した率直な感想をお聞かせください。
ピ:大きい大会で勝ったということがなかったので嬉しいです。
―それでは最後に一言お願いします。
ピ:「切符なんでとれないんだ!」っていう人の声も大分あったんですが何だかんだでその声もエールになりました。色々言ってくれた人達にはみんな感謝しています。
◆運営インタビューなんぽん氏&モミアゲ氏
また同じく大会終了後にこれまでC5の開催、運営に尽力されたなんぽん氏と再びモミアゲ氏にインタビューを行ったのでその様子をお届けする。
―2ヵ月半以上の長い期間でしたが大会運営お疲れ様でした。
なんぽん(以下な)、モミアゲ(以下モ):お疲れ様でした。
―大会を終えてみての率直な感想をお願いします。
モ:まさかここまで盛り上がるとは。
な:間違いないです。
モ:ここまでの規模になるとは。
―予想されていなかった?
モ:そうですね、元々は小さい大会になる予定でした。
―そう考えると予選も合わせると300人以上のプレイヤーが参加されたわけですよね?
モ:参加人数というよりも現場の盛り上がりが……
な:そうですね、カオスコード勢のアクティイブさに凄く助けられて。「北海道行きます、九州行きます。」って動いてくれたりとか今回で言うとTRFの人が私財をなげうって高槻に来てくれて集まってくれて。プレイヤーの熱に助けてもらいました。折角ここまで盛りがったものをこのタイミングで切らしたくないので、是非とも次のイベントがやれたらいいなと言ってるので、僕らの動向に注目していただけたら。
モ:そうですね、このまま放置は流石にできないですね。
な:できないですね。やっぱり僕たちカオスコードを盛り上げたいので。
―最後に一言お願いいたします。
モ:プレイヤーとしても頑張っていこうと思いますので、お店も中野TRF、リブロス高槻店共々協力していただけると助かります。大会の方はなんぽんさんと打ち合わせをしておきますので期待して待っていてください。
な:今回のC5の成功は格好いい切符を作ってくださったツジさんやTシャツを作っていただいたりとか……メーカーだけでなくプレイヤーみんなが盛り上げようと熱を入れてくれたのでここまで盛り上がりがあったと思うので、次の大会も是非一緒に盛り上がりましょうということで。本当にありがとうございました。
―ありがとうございました。
◆最後に
こうして長きにわたるカオスコードプレイヤーの戦いは終わりを告げた。だが、インタビューにもあった通りこれからもカオスコードは盛り上がりをみせていたくだろう。中野TRF、リブロス高槻店共にカオスコードをはじめ様々な格闘ゲームイベントを開催している。イベントの詳細などについてはHPを確認してほしいということなので、興味のある人はぜひ見てもらい、参加していただきたい。またカオスコードに今回のイベントで興味を持ったという人も是非カオスコードをプレイしていただき、次回のカオスコードのイベントがあった時には参加していただきたいと思う。
※取材協力
メディアパークリブロス高槻店 http://leebrostakatsuki.web.fc2.com/
中野TRF http://www.trftrf.com/
C5HP http://leebrostakatsuki.web.fc2.com/cczt/chaoscodezt.html
FKDigital http://www.fkdigital.net/
CHAOS CODE http://www.ccfkd.vgocities.net/Chaoscode/top.htm
全てのカオスコードプレイヤーの皆様