2012年6月23日、FRB★TPC’s ”MARVEL FESTIVAL ~マーヴルお祭り!”が開催された。今大会では闘劇の本選出場の権利が「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」部門優勝者に与えられこととなった。
(取材、写真撮影:わたも)
◆マーヴル祭り開催!
2012年6月21日、東京都赤坂にあるパブ&レストラン「ホブゴブリン赤坂」でFRB★TPC’s ”MARVEL FESTIVAL ~マーヴルお祭り!”が開催された。今回はマーヴル祭りというその名の通り、ゲームタイトルとして「Marvel Vs. Capcom 2」と「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」を使用してのトーナメント形式の大会開催となった。また今回は闘劇とのコラボで「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」部門の優勝者には本選出場の権利を得られるということで、関西や東北などから遠征者が多数参加し、大盛り上がりの大会となった。今回はそんな大会の模様と優勝者、準優勝者のインタビューも併せてお届けする。
◆FRB
FRBとはFINALROUNDBATSの略称でアメリカのアトランタを本拠地としている月例ビデオゲームイベントの名称である。ただゲームの大会を開催するだけではなく、ゲームをプレイする者どうしやそうでない人達とも輪を広げる場所を提供しているのがこのイベントの特徴だ。また海外のプレイヤーも多数参加しているのも特徴の一つで、日本人だけではなく海外のプレイヤーとも交流を図れるのが魅力である。また年間を通しての総合優勝者はFINALROUNDの本場アトランタで行われるFINAL ROUND XVIのトーナメントへ招待される。これで招待され「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」の部門で何人もの海外有名プレイヤーを打倒し優勝を果たしたのが「クソル」氏である、まだ記憶に新しい人もいるだろう。そんなFRBを日本でも開催しているのがFRBJapanである。
今回はそんなFRBJapanが闘劇とのコラボを果たした。闘劇は今年から初めて家庭用機ゲームをタイトルに選んだが、家庭用機ゲームは従来の店舗予選での開催が不可能なため、有志が執り行うゲーム大会に枠として提供している。その一つとしてFRBJapanとのコラボが実現したわけである。
◆スタート!「Marvel Vs. Capcom 2」トーナメント!
ここからは大会の模様についてお届けしていく。大会当日は今まで最高の参加人数ということで60名以上の格闘ゲームプレイヤーが参加し、店の中を埋め尽くした。
まず最初に行われたのは「Marvel Vs. Capcom 2」の大会である。「Marvel Vs. Capcom 2」は2000年3月に発売されたタイトルで、発売されて10年以上が経ち「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」が発売された今でも一部ユーザーから絶大な人気を誇る人気作である。
「Marvel Vs. Capcom 2」トーナメントに参加したのは24名。大半のプレイヤーが記憶のカケラを辿りおぼろげながらコンボを決めたり、永久コンボを決められて当時を思いだしているシーンが多く見られ、「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」トーナメントでは見ることができなかったほのぼのとしたアットホームな雰囲気が「Marvel Vs. Capcom 2」トーナメントでは流れていた。
そんな中、勝ち上がってきたのはG.X、SCOTTなどを倒してきたJunyaとOTGY、準決勝でMalk KYを倒して勝ち上がってきた砂蛇、この二人で決勝戦が行われることとなった。白熱の決勝戦が行われた結果、優勝したのは砂蛇、大会では特定のチームではなく様々なキャラを使い、決勝でも余裕を感じさせながらの貫録の勝利となった。勝利後のインタビューでも笑いながら「嬉しいですが、大人げなかったです」と語っていた。大会終了後もFRBJapan主催者であるSCOTTとのスペシャルマッチが行われた。砂蛇曰く「想像以上に動けていて、一番強烈だった。」とのことで、その言葉通り熱戦が繰り広げられ会場を盛り上げた。
◆大熱戦の「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」トーナメント、ピザパーティーも!?
「Marvel Vs. Capcom 2」トーナメントが終了し、遂にメインイベント「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」トーナメントが開催された。前述した通り闘劇本選への出場権がかかっているということもあり、トーナメントには60名以上が参加。全国から「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」プレイヤーが参加しトーナメントを盛り上げた。また今回のトーナメントの為にラウンドガールとして「ナユ」、「アツコ」、「チカ」が登場、またここからはTGN協力の元、奢られ君もスタートし会場を更に盛り上げた。
大会形式は1回勝負の2戦先取の勝ち抜き制トーナメント。このゲームの逆転性なども考慮すると全く油断できない大会形式であり、重たい緊張感の中トーナメントは開始された。
予選から好カードの目白押しで、1回戦から激戦となった。序盤からOGTY、G.Xやbsjnといったプレイヤーが敗退していったのを始め、2回戦以降もしまだや横浜モードック、であ、ウダテラスも敗退。TOP4に名を連ねたのは以前FFLでもイベントレポートを掲載した「Kubodsgarden」でも結果を残したモルガン使いJEO(モリガン/ウェスカー/飛竜)、EVOでも話題をさらったスパイダーマン使い、まめスパイダー(スパイダーマン/ドゥーム/バージル)。こちらもEVOに参加、KVOやKVO×Godsgardenでも上位に名を連ねているABEGEN。最後に今大会TOP4の中で唯一ここまで1戦もとられずにここまで勝ち進んできたネモ(スペンサー/ストレンジ/ウェスカー)の4人である。
準決勝……の前に一旦休憩。FRBJapanの名物である「ピザパーティー」が開催された。これはFRBJappanで行われる恒例行事で参加したプレイヤー達に食べ放題のピザが振舞われるのである。これが中々に絶品で、このために1回戦で敗北プレイヤーはひと時格闘ゲームのことを忘れ、振舞われるピザに舌鼓を打っていた。
そして腹を満たし準備が済んだところでトーナメントが再開された。準決勝第一試合はJEO対まめスパイダー。まめスパイダーはスパイダーマンがモリガン相手に効果的に機能しない場面が多くみられたが、必死に食らいつきラストラウンドまで持ち込んだが届かず、JEOが勝利し決勝に進んだ。第二試合はネモ対ABEGEN、第一試合と同じようにもつれ込むかと思われたがABEGENチーム特有の爆発力が遺憾なく発揮され2試合共ABEGENが勝利した、ということで決勝はJEO対ABEGEN、共に関東勢のお互い勝手知ったる者どうしの対戦となった。決勝は3戦先取、手に汗握る対決となりラストラウンド体力微差という試合展開になったが、最後のワンチャンスを掴み取ったABEGENが勝利、「Ultimate Marvel Vs. Capcom 3」トーナメント優勝者となり、また本人初の闘劇本選出場となった(決勝の内容については後述のインタビューでも取り上げる)。
◆優勝者ABEGEN、準優勝者JEOインタビュー
トーナメント終了後、優勝したABEGEN・惜しくも準優勝のJEOにインタビューを行ったのでそちらの様子をお届けする。
(インタビュアー:わたも)
ABEGENインタビュー
―お疲れさまでした、今日一日大会に参加されたご感想は?
ABEGEN(A):そうですね、最高に勝って嬉しいというのと、家やOGTYさんの家で対戦会をしていていた人達と一緒に強くなって、勝つことができたので本当に皆さんに感謝しています。
―優勝されてみて如何ですか?
A:一発勝負の恐ろしさは知っているつもりだったんですが、このゲームは極めて逆転性が高いゲームなので、「どうやればリスクが下げられるか」という点に終始気をつかいました。普段逆転されているパターンを頭に叩き込んでおいて、それが絶対に起きないようにプレイしていました。
―決勝戦についてはどうでしょうか?
A:決勝は結構落ち着いていて、JEO君は家で50本や100本単位で対戦すると勝ち越していたので、2本とられてもいつも通りにやれば勝ちが転がり込んでくると……いつも通りいつも通りプレイするのを決勝でも心がけました。
―今後の意気込みについて教えてください
A:目標としては優勝したいのはもちろんですが、それ以外にも私が使っている3キャラは動きが遅い3キャラなんですが、アメリカでは評価されていないどころか存在していない、というレベルです。その3キャラが最強なんだっていうことを世に知らしめようと思っていますので頑張りたいと思います。
―ありがとうございました
A:ありがとうございました。
JEOインタビュー
―大会の感想をお願いします
JEO(J):そうですね、緊張感がある場だったし、いつものFRBより人数も多かったんですけど、俺自身が最近余りプレイしていなかったんで緊張はそこまでしてなかったです。いつも通りプレイできていたと思います。
―決勝にあがって来られるまで問題なかったと?
J:一回アクシデントがあって、3回戦で本来当たる人が棄権して繰り上げで別の人が来たんですがその人がレイレイを使っていて、余り対戦したことがなかったので……あれは危なかったですね。
―決勝戦についてお聞かせください
J:多分、俺よりも彼の方が緊張していたと思います(笑)。対戦内容はいつも通りでどっちが勝つか分からない良いところまでいったので……
―決勝の敗因を挙げるなら何でしょうか?
J:単純にミスの数が多かったということ、後はそのミスを彼(ABEGEN)がしっかり拾ってきたということ、それで決まったかな。
―ミスとは?
J:え~と、コマンドミス1回、置き攻めが通らなかったのが1回、択に負けたのが1回です。
―なるほど……それでは最後に一言お願いします
J:今日は楽しかったです。準決勝勝った時に決勝はABEGENさんと闘劇を賭けてやりたいなと思っていたので、それが実現して良い勝負ができたので満足しています。ありがとうございました。
―ありがとうございました
◆最後に
こうしてABEGENは本選への切符を手に入れた、日本一を決める闘劇の舞台で皆さんも生でプレイを見ていただきたい。また今大会で準優勝だったJEOもその後の予選で闘劇への切符を手に入れた。闘劇の本選に舞台を変えてまたこの二人の対戦が決勝で見れる可能性も高い。この二人が闘劇でどのような形で活躍できるのか?是非注目していただきたい。
さらにFRBは今後もこのような形でオフラインイベントを継続していきたいとのことである。FRBJapanの動きについては今後もtwitterやブログで確認していただきたい。
日本では未だこのようなオフラインイベントが主流になってはおらず、寂しいところもある。今回の記事の写真や文章を読んで少しでも参加する気持ちが沸き起こってくれば幸いである。
取材協力
FRB Japan
参加されたプレイヤーの皆さま