2012年7月15日、京都にて「Ketubato U -Ultimate Marvel vs Capcom 3 - 京都大会」が開催された。優勝者には闘劇決勝大会への出場権が与えられることとなった。今回はそのレポートをお送りする。
（取材・写真撮影：わたも）
◆古都京都で激闘開催！
2012年7月15日京都府乙訓郡大山崎町にある、ふるさとセンターにてUltimate Marvel vs Capcom 3を用いたオフライン大会が開催された。主催はIKKI氏、氏は以前より大乱闘スマッシュブラザーズシリーズの非公式大会KetubatoXの主催をしており、今回はUltimate Marvel vs Capcom 3を使用し「UMVC3プレイヤーである人類がガチで勝負する」をコンセプトにKetubatoのUltimate Marvel vs Capcom 3バージョン、Ketubato Uと題して大会を開催した。
今大会も以前当サイトでイベントレポートを掲載した「KVO」や「FRB」と同じく闘劇2012 と連動しており、優勝者は「Ultimate Marvel vs Capcom 3 闘劇2012決勝大会」への切符が与えられることとなった。そんな優勝賞品や関西では久しぶりのUltimate Marvel vs Capcom 3オフラインイベントとあって関西のプレイヤーだけではなく東海、中国地方など様々な地域からプレイヤーが集い、その腕を競い合うこととなった。
◆大会開始、白熱のグループ予選
当日は30度を超える真夏日の中、開場の10：30前に何人ものプレイヤーが来場して入口前に待っているという状況になっており、大会参加者のやる気を伺わせた。大会参加者は40名、また見学者も合わせると50名以上のUltimate Marvel vs Capcom 3のプレイヤーが集まった。参加者にはまめスパイダー、kubo、しまだといったEVO2012参加組が名を連ね、その動向が注目となった。
予選は1グループ5、6人の総当たりグループ予選形式。上位2名がシングルイルミネーション制の決勝トーナメントに進出となった。予選は序盤から波乱の展開であった。特にkubo、RF、辻川、ねず、meifisu、くるがのグループが顕著で激戦が繰り広げられた。決勝トーナメントに1位通過したのはmeifisu（飛竜、デップ、バージル）。meifisuはゲーム歴自体はあるらしいが大会などに参加するようになったのは北斗後期からとのことで若いプレイヤー。このグループをほぼ全勝で通過し、意外な伏兵となった。2位通過はkubo、初戦meifisuに敗北したことによって調子を崩したように見えたが、しっかりと立て直し3位と微差ではあったが決勝トーナメント進出を決めた。RFも食らいついていたがくるが（なるほど、レイレイ、ソー）に負けたことで勢いを落としてしまったのか、残念ながら決勝進出できなかった。
このように白熱のグループ予選が終了し残ったのは16名、半分以上が予選で敗退し決勝の行方を見守ることとなった。決勝に残ったプレイヤーの中には先ほどの二人に加えまめスパイダー、しまだといったEVO組も全員決勝進出。他にも砂たむ大嫌いおばさん（液体）、であ、ロットメン、ハーティアといったプレイヤーも決勝に進出していた。
◆決勝トーナメント、闘劇決勝大会出場は？
決勝トーナメントはダブルイルミネーション制、一度負けてもルーザーズトーナメントで勝ち進んでいけば決勝進出、優勝も可能である。そんな決勝トーナメントも熱戦が展開していく。まず波乱を起こしたのはmeifisu。相手は関西でも指折りの強豪である液体（マグニート、ドゥーム、フェニックス）。1戦目液体のダークフェニックスをウロボロスに引っかけ1戦目を紙一重でもぎ取ると続く2戦目、画面端でマグニートがディスラプター、アシストのドゥームがヒドゥンミサイルで立ち回ろうとしたところにmeifisuoバージルのトリックダウンが上手く噛み合い二体を撃破、5ゲージが溜まっていないフェニックスを引き出す。液体は5ゲージまで耐え切りたいところだったがデップの中段に崩され敗北した。
次の注目の試合はしまだ（ハガー、ドゥーム、ドマム）対まめスパイダー（スパイダーマン、ドゥーム、バージル）、EVO組同士の対戦となった。主導権を終始握ったのはしまだ。画面端でヒドゥンミサイルで固めながらハガーで崩すという鉄壁のスタイルで圧倒、勝利した。
しかしそのしまだも若きパッド勢プレイヤーのvairos（ハガー、フランク、スクラル）に敗れ、まさに波乱。ベスト8まで残ったのはルーザーズ側が砂たむ大嫌いおばさん、しまだ、えむまき。まめスパイダー。ウィナーズ側がmeifisu、SHEVA777、kubo、vairosとなり誰が優勝してもおかしくない展開となった。まずはベスト8初戦、液体がしまだに勝利。次のえむまき対まめスパイダーの同門対決はえむまきが勝利し、残念ながらまめスパイダーはトーナメント敗退となる。
ウィナーズ側初戦はvairos対kubo（バージル、X-23、ダンテ）、これはvairosが1戦勝利しチェックをかけた2戦目。kuboはダンテ一人の状況から最後ハガーまで引き出し、良い展開に持っていったかのように思ったが魔人化からのコンボ拾いに失敗、最後はハガーの鉄パイプに引っ掛かりウィザーズから転落してしまう。SHEVA777（スパイダーマン、タスク、デップ）対meifisuはSHEVA777が勝利。さらにSHEVA777が勢いにのりvairosを倒し、決勝トーナメントの決勝にまでその足を進めていく。ルーザーズ側では液体VSmefisuのリベンジマッチが行われたが飛竜のウロボロスでダークフェニックスを押し切るという力強さ、また運悪くフェニックスがバージルの幻影剣に突っ込んでしまうという事件もあり、meifisuが液体のリベンジを抑え、勝利。meifisuはその後kuboにグループ予選でのリベンジを果たされ、トーナメント敗退となってしまうがまた一つこのゲームに新たな風を呼び込むプレイヤーとなってくれた。
ウィナーズファイナルはkubo対vairos。kuboがリベンジして決勝に向かうか、新世代のvairosが新たな時代を切り開くか注目の試合になった。1戦目はkuboがお馴染みのX-23からの出現ハメで仕留めきりラウンドを奪う。後がないvairos、次も残りkuboがダンテ、自分はハガーのみという状況、さらにダンテはXファクターが残っているという辛い展開。しかしkuboが強気に前ダッシュしてきたところに置いていた鉄パイプがヒット、最終ラウンドまで粘る。最終ラウンド、vairosはフランク、kuboはバージル、フランク画面端という状況。バージルが崩しにきたところにハガーアシスト（ダブルラリアット）を重ねたvairosだったがしゃがみで避けられており、逆にディレイしゃがみMがフランク、ハガーにダブルヒット。そこからはkuboのいつもの流れで最後スクラルもサイレントキリングの前には為すすべもなく倒れた。最後の戦いに向かうのはkuboとなり、決勝トーナメントグランドファイナル、今大会最後の試合を飾るのはSHEVA777対kuboとなった。
kuboは今までメルブラ、ギルティなど様々なゲームで結果をだしているプレイヤーでこのゲームに関しても昔からオフライン大会などに積極的に参加し、ゲームの普及にも活躍してきたゲームの第一人者の一人に数えられる人間である。チーム構成はX-23のサイレントキリングによるハメを最大限生かすことのできる構成となっている。
対するSHEVA777は今大会で初めて格闘ゲームの大会に参加している。初めての大会で決勝まで進出してくるというセンスあるプレイが魅力である。また数少ないスパイダーマン使いの一人であり、まめスパイダーとはチーム構成も動き方も異なる。
ある意味では古参、新参という対極的な見方もできるこの最終試合、kuboが経験とやり込みを見せ優勝するか、逆にSHEVA777が若さと爆発力を見せつけ下克上を起こすのか。決勝は3戦先取で1セットの形式。ウィナーズ側（SHEVA777）は1セット、ルーザーズ側は２セットとらなければいけない。つまりルーザーズ側が圧倒的不利な状況となっている。
そんな状況も味方につけたか初戦はSHEVA777がとっていく。このまま優勝かと思われたが、それは間違いであった。そのあと3戦はなんとkuboが勝利、1セット奪い、2セット目に突入させる。kuboがSHEVA777攻略の糸口を掴んだか、SHEVA777のシューティングを掻い潜り果敢に攻め込んでいったkuboが完全に勢いを掴んだ1セット目であった。
2セット目初戦、流れを引き戻したいSHEVA777だったが気迫でkuboが攻め込む、躱しきれなかったSHEVA777はX-23に捕まってしまい、そこからはいつもの流れでkuboが勝利。勝負を決めに行きたいkubo、だが2戦目は苦しい流れとなった。スパイダースィングからの中段で崩されてしまったバージルが倒れると、ディレイドででてきたタスクの2LにX-23がひっかかり、ダンテも出現攻めで崩れSHEVA777が勝利。しかしkuboも負けてはいない3戦目、いつものサイレントキリングからの流れでラウンドをもぎ取り優勝へチェックをかける。運命の4戦目、両者先鋒が落ちている互角の展開、しかしSHEVA777が強気にしかけたクイックワークにX-23が当たってしまい、kuboは最後ダンテのみ2対1の状況になる。このラウンドは厳しいかと思われた瞬間、SHEVA777の出現攻めが空振ってしまい、その隙に兜割を差込み、タスク対ダンテ1対1に持ち込む。タスクの下段にダンテが崩され絶体絶命かと思われたが体力が僅かに残り九死に一生を得る、逆にkuboはそのチャンスを利用し自分のターンに持ち込むと最後はエアトリックJHでタスクを崩し、接戦を物にした。そしてこの勝利によりkuboが2セットを先取。苦しいと思われたルーザーズ側で優勝を決め、また闘劇決勝大会出場の権利を手に入れた。
こうして京都で行われた熱き戦いは幕を閉じたのであった。
◆優勝者、準優勝者インタビュー
大会終了後、優勝者のkubo、準優勝者のSHEVA777氏にインタビューを行い、このゲームや闘劇に向けての意気込みを伺った。
（インタビュアー：わたも）
SHEVA777インタビュー
―今大会に参加されての感想を教えてください
SHEVA777（S)：このゲームで初めてオフライン対戦をやりはじめました。やっぱり人と身近で対戦するってすごく楽しくいです。今回が初大会参加で大会はやっぱり面白いなと思いました。
―チーム構成について教えてください
S:スパイダーマンを上手く使うためのチームです。まめスパイダーさんのチームも正解だと思うんですが、自分で使ってるチームも正解の一つだと思っています。
―今大会のベストバウトはありましたか？
S:ロットメンさんとの戦いですね。チーム構成もプレイスタイル的にも苦手だったのでギリギリだったんですが、ギリギリのところで小足を振ったのが当たったので勝てました。
―決勝戦は如何でしたか？
S:自分はガン攻めが好きなんです、決勝戦でもガンガン攻めました。ただX-23が攻めっ気を出しすぎるとガーキャンXファクターという展開になってしまうので気をつけていたんですが
・・・負けてしまいましたね。
―なるほど・・・それでは最後に一言お願いします
S:今までオフラインイベントに来てなかった人達が見に来ていました。オフ対戦や大会は素晴らしいものだと実感してもらいたいので、是非参加してきてもらいたいと思います。自分はマーヴルコミックとかも好きで映画とかも宣伝していきたいですね。このゲームを通じてアメコミとかにハマってほしいな。
後はスパイダーマン最強！
―（笑）ありがとうございました！
S;ありがとうございました。
kuboインタビュー
―今日は一日お疲れさまでした
kubo（K）：お疲れさまでした。
―大会に参加された感想をお願いします
K:今回は闘劇予選に参加するというのも一つの目的だったんですけど、もう一つ自分も家庭用のイベントを開きたいと思ってイベント運営を視察しにきたっていう目的もありました。……でも（闘劇の切符を）とれてよかったです（笑）。
―自分のチーム構成についてお聞かせください
K:まぁ率直に言えばハメ……ですよね。本当に相手が一瞬で死んでいくので。ハメによって相手の2人目ないし3人目が意味がなくなるというチームです。大体それが決まると勝つので、ちょっと実力差があってもワンチャン狙えるのが魅力です。
―今大会のベストバウトはあるでしょうか？
K:う～ん（少し考えて）vairos君戦かな、1戦目の。あれはやっぱり負けた試合だけあって印象に残ってます。
―2戦目はどういった気持ちで臨まれたんでしょうか？
K:ハガーアシストを多用してくるな、と思ったので巻き込まれないように……あとは2試合目たまたまだした中足か何かがハピバ（ハッピーバースデーの略）してて「あっ勝った（笑）」って（笑）。
―決勝戦についてお聞かせください
K:１セット3本先取というのが逆に楽だったかなと思います。これは多分ですが、長期戦をやれば勝ち越す相手だと思ってました、実は前日IKKIさんの家で対戦していたので。正直2先で2回って言われていたら危ないかなと思っていました。短期決戦のほうが危なかったです。
―なるほど前日に対戦していたこと、3先というルール……この2点が上手くkuboさんに作用してくたということですね
K:そうですね。
―優勝した感想をお願いします
K:闘劇で優勝して、とりあえずジャパニーズチャンプになりたいな。まだEVOチャンプはダメだったので（笑）、今年はジャパニーズチャンプで。もし来られるんだったら
Filipino Champ にリベンジしたいなと思います。
―ありがとうございました
K:ありがとうございました。
闘劇2012については下のURLから
※取材協力
IKKI様
http://ketubatoultimate.seesaa.net/
大山崎町ふるさとセンター
参加されたプレイヤーの皆さま
