2013年5月18日、原宿にあるニコニコ本社にてニコニコ本社ワークショップが開催された。テーマは「未経験者、初心者がこれから格闘ゲームを始めるには」。一体どのようなワークショップとなったのか、今回はそのイベントのレポートをお届けする。
（取材・写真撮影：わたも）
ゴールデンウィークも終わり、5月も半ばとなった18日の昼。大勢の人で賑わう原宿の通りを少し横に入ったところにニコニコ本社はあった。その日、ニコニコ本社2Fでは格闘ゲーム講座が開催されることとなった。テーマは「未経験者、初心者がこれから格闘ゲームを始めるには」。テーマに書いてある通り未経験者、初心者をターゲットに絞ったイベントだ。ゲームセンター等でも初心者講習会のようなイベントが開催されることはあるが、未経験者も対象としたイベントは多くない。そんな背景もあったのか会場には50人以上の参加者が訪れ大盛況となった。
講師は数々のゲームイベントでMCを務めるプレイヤー兼実況者のアール氏である。ニコニコ動画では「TOPANGAアジアリーグ」やYOUDEALチャンネル「まじめJKりょうかとアール先生のゲーム生授業！」等様々な場面で活躍中である。
「格闘ゲームを見るのが楽しいという人の為に講座をやりたい。そして格闘ゲームを楽しむ方法を教えたい。」とアール氏は言う。「初心者の人に限られた時間の中で教える時、どうしても技術的なことを教えるとキリがなくなる。教えられるのは考え方であったり、上手い人はどうやって上手くなったのかという部分だと思う。今の時代ネットで情報が氾濫しているから何が正しい情報か分からない。だから自分は長い間格闘ゲーム業界に身を置いてきた、という経験から上手くなるための正しい手順を教えられればと思っています。どうしてもインターネットを見ているとネガティブな要素や意見が多いと自分は感じていて、でも上手い人もネガティブに考えているかというとそうではない。その部分を伝えるというのは重要だと思います。」
今回の講座にはスーパーストリートファイターIV アーケードエディションが選ばれた。（以下SSF4AE）講座にSSF4AEを選んだ理由を尋ねると「格ゲー界においてSF4、SSF4というのはブーム再燃の大きなきっかけになった作品だし、他のタイトルと比べてプレイヤー人口が多い。人が多いということはコアな層も多ければライトな層も多いんです。だから観戦するだけの人やプレイヤーのファンなだけという人も多い例外的なタイトル。そういった背景からこのタイトルを選びました。」と答えた。
最後に講座に対する意気込みを聞くと「こういう機会を頂けることがとても光栄。自分一人のイベントに来ると言ってくれる人はいないんじゃないか、あくまでイベントの脇役の一人といつも思っていたので、その自分が主役になった時、興味を持ってくれる人がいたことが嬉しかった。それがモチベーションになっているので本当に来てくれた人には感謝。だから来てくれた人には楽しんでもらう、という気持ちで臨みます。」と答えて会場へと向かっていった。
アール氏が到着すると会場は拍手で包まれた。予想よりも多い観客にアール氏も驚いたようで少し緊張した面持ちで挨拶する場面も見られた。
講座が始まると参加者の中にはメモ帳とペンを用意し、勉強会のような雰囲気となった。他の参加者も通常の格ゲーイベントよりは静かにアール氏の話に聞き入っていた。
講座ではPPについてや上達の方法、上手なオンラインバトルやトレーニングモードの使い方、実際にアーケードスティックを使用してのレバーの持ち方、ボタンの押さえ方などなど充実した内容が繰り広げられた。途中の参加者の質問ではアール氏とせんとす氏の実況違いを聞かれイベントの進行を手伝っていたせんとす氏が講座に参加。それぞれの実況の違いを分かりやすく解説する一幕も見られた。
また講座が一段落すると希望者との対戦会を開始、参加者と楽しく対戦するアール氏の笑顔も見られた。その後は各テーブルにアール氏が向かい、格闘ゲームの話や趣味の話など多用な雑談に花を咲かせ盛り上がりを見せた。
最後にアール氏とのジャンケン大会が開催された。イベントで実際に使われたボールペンやフィギィアが賞品となり参加者とジャンケンを行い、数名に賞品が授与された。
講座終了後にアール氏に感想を尋ねると「初めてのことだったのでシミュレーションはしてきたのですが、どうなのかという部分はありました。でも実際にテーブルを直接回って自分のやったことは間違っていなかったと感じました。みんなが楽しんでくれたのが一番です。」と笑顔で答えてくれた。
現在ニコニコ動画は格闘ゲームのエントリーとして重要なツールとなっている。そんな中今回の講座は格闘ゲームとネットを繋ぐ架け橋の一つとなり参加者の格闘ゲームライフをより楽しく盛り上げるものとなった。この講座から格闘ゲームの既に第二回がかずのこ氏を講師に迎え開催されそちらも大反響だったという。今後も三回、四回と続き、格闘ゲームの楽しさや面白さを伝えて行って欲しい。
◆取材協力
ニコニコ動画
アール氏
せんとす氏
