立命館大学「Rits e-sports festival2011」レポート

立命館大学映像学部ゲーム研究会は10月22日、立命館大学 衣笠キャンパスにて、関西最大規模のeスポーツイベント「Rits e-sports festival2011」(以下REF2011)を開催した。第三回目となる今回はBLAZBLUEシリーズのプロデューサーである森 利道氏とプランナーである関根 一利氏を招いてのゲーム開発者セミナー、そして『BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT EXTEND』(以下BBCSEX)を使用したスペシャルマッチが行われた。

BBCSEXは2011年12月17日にPlayStation®Vita、PlayStation®3、Xbox 360の三機種で発売が予定されている、BLAZBLUEシリーズ最新作である。その最新作をいち早く遊べるということで会場には70人以上、USTREAMの配信では300人もの参加者、視聴者が集まり大盛況となった。その大盛況となった『Rits e-sports festival』のイベントレポートをお届けしたいと思う。 (レポート執筆:わたも)

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REF2011開始前、スペシャルマッチ参加受付をする参加者達。

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客席の様子。沢山の人々が集った。

【 第一部 スペシャルマッチ予選 】
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 当日は悪天候だったにもかかわらず、予選開始1時間前から会場には既に参加者の姿が見え、そのやる気を伺わせた。スペシャルマッチ(以下SPM)への参加者は37チーム74人。前年度より遥かに多い人数にスタッフ達も緊張しているようだった。

 SPM開始前、今回のSPM実況を担当した火九氏にお話を伺うことができた。火九氏は京都四条にあるゲームセンター、ネオアミューズメントスペースa-choの店員であり、対戦格闘ゲームの全国大会である闘劇で数々の実況をこなしてきた経験を持つ。

 火九氏に今回の実況でどのようなことを伝えていきたいかと尋ねると「今回のイベントは幅広い層から参加してもらっているので参加者全員が楽しめるような実況をしてBLAZBLUEの格闘ゲームとしての面白さを知っていただきたい、と語った。

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実況の火九氏、そのトークスキルで試合を盛り上げてくださいました。

 SPM予選の開始が宣言され森 利道氏と関根 一利氏が登場すると会場は大盛り上がりとなった、さらに今回使用されるのがBBCSEXの開発ROMであることが発表されると会場がざわついた。SPMはトーナメント、変則早稲田式2on2、1ラウンド99 秒、ツーラウンド先取の形式。早稲田式とは先鋒同士、大将同士で試合をし、片方のチームが2勝した場合はその時点でそのチームの勝利。1勝1敗だった場合は、各チームの勝利者同士で第三試合を行なう形式である。

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REF2011予選開始時に登壇した両氏。

 SPM予選では全チーム真剣な面持ちで対戦を行っていたが時にはプレイヤー間で笑顔で会話する場面も見られ真剣ながらも暖かい雰囲気で進行していった。観客もスクリーンに映し出されたプレイ画面を見て時には感嘆し、笑い、対戦終了後には両者の健闘に拍手を送る場面も見られた。

 予選で特に目を引いたのはレリウスを使用する人が多かったということだろう。10月5日にバージョンアップがおこなわれた、アーケードで絶賛稼働中の『BLAZBLUE CONTINUUM SHIFTⅡ Ver1.10』では家庭用に先んじて新キャラクター『レリウス=クローバー』が追加されている。

 レリウスを使用する人が多いことからアーケードでのBLAZBLUEの人気、レリウスというキャラクターの人気を伺い知ることができた。また女性の参加者、観戦者も多く、BLAZBLUEの女性層の支持の厚さも感じることができた。

 予選が終了し本戦に出場したのは37チーム中16チーム。半数以上が振り落とされる結果となったが、勝ったチームも負けたチームも終始笑顔だったのが印象的だった。

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コンボを失敗しくやしがる関根氏。

【 森 利道氏、関根 一利氏インタビュー 】
第二部開始前に両氏にインタビューをおこない話をうかがった。

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左が森利道プロデューサー、右がプランナーの関根 一利氏

FFL(わたも):
今回のBBCSEXはPlayStation Vitaでの発売が決定していますが開発での苦労はあったのでしょうか?

森 利道氏(以下、森氏):
ローンチタイトルということでVITA自身が未知数なところが多く、特にネットワークの方は初めで・・・あまりこれを話していいかはわからないのですが、一番最初のマシーンなので結構仕様がちょこちょこ変わるんですよ(笑)。それでやはりプログラマーは苦労をしていましたね。

FFL(わたも):
なるほど、それではVita版とPlayStation®3、Xbox 360版との違いはどこにあるのでしょうか?

森氏:
それはやはり背面タッチパネルですよね。あれはどう使うんだと思ってみんなで悩みに悩んだというのはありますね。たまたまアメリカに行った時に『トイボックス』という全部ボタンでコントロールできるコントローラーを見て「あ、全部叩きながらやるのは面白いかな、と。どんどん発展のしようはいっぱいありますし、正直僕らも今回どうやって背面タッチパネルを使うというところまで頭が回りきれていないところがありますので、今後ももっと背面タッチパネルを巧く使ったゲーム作りをしたいとは思っています。
・・・ただ格闘ゲームって僕はできるだけスティックで遊んで欲しい人間なので(笑)、できればその形で遊んで欲しいなというのはありますよね。逆にいうとスティックを買わないといけないということになると敷居が高くなってしまうので、そこら辺はコントローラーだけでも遊びができる要素というのはもうちょっとやりたいなと。それは後でパチ君(関根 一利氏の格闘ゲームプレイヤー時代のプレイヤーネーム、愛称)が色々話してくれると思います(笑)。

関根 一利氏(以下、関根氏):
(笑)

森氏:
パチ君もある程度コントローラーで完結できる方法を一生懸命考えてくれていて、それを今後BLAZBLUEでどのくらい反映できるのか・・・ご期待くださいとしか言いようが無いですね(笑)。

FFL(わたも):
そういえば今回のREF2011でもコントローラーで参加していた方が思ったよりもいましたね。

関根氏:
そうですね、できれば今後(コントローラーの)垣根は無くしたい。スティックじゃないとダメとか、コントローラーじゃないとダメというのはできるだけなくして・・・両方とも共存できるシステムなり操作形態をきっちり最初からレベルデザインの時点で構築して、やったほうがいいかなと。(BLAZBLUEでも)意識はしているのですけど、例えばプラチナというキャラでは昇龍拳コマンドを一切いれてないとか・・・今後はもう少しそういうことを意識して入口に関してはできるだけ広げて・・・そこから先ゲームはやりこんでいけば茨の道なので(笑)そこが厳しいのは僕はいいと思うのですけど。ただ入口に関してはちゃんと工夫はしたいなと思っていますね。・・・あと余談なのですがVitaの画面が超キレイです(笑)。

森氏:
あれはすごくキレイですよね。

関根氏:
あと僕としてはPSPより十字キーが使いやすいかなと、斜めが入力しにくいじゃないですか(笑)。その辺りがかなり改善されているので。

FFL(わたも):
本当ですか(笑)。

森氏:
あと操作形態でいうと別の(ゲームの)話になってしまいますが『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ -』(以下P4U)というBLAZBLUE CONTINUUM SHIFTよりはるかに長いタイトルがあるんですが(笑)。あれが一つの形として答えをだそうと今がんばっているので、操作形態に関してはそちらも期待していただければと思います。ですが、P4UはP4U、BLAZBLUEはBLAZBLUEという二つのタイトルなのであまりそこはごっちゃにしたくないなというのが本音ではあるんですよ。

FFL(わたも):
今、ペルソナの話がでたのでそれについてもお伺いしておこうと思うんですが、P4Uで他の格闘ゲームとここを変えていきたいというところはありますか?

森氏:
それは今言った通り操作形態で面白いアプローチをしているので・・・実は 昇龍拳コマンドが一切入ってないんですよ。そういうところで敷居を下げつつ、格闘ゲームとしては奥を深めようという挑戦的な作品なので続報を期待してください。

FFL(わたも):
ありがとうございました。

【 第二部 ゲーム開発者セミナー 】

第二部は森 利道氏と関根 一利氏によるBLAZBLUE CONTINUUM SHIFT EXTENDの開発事情に関する講 演を行った。

[ BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT EXTENDについて ]

 まず森氏によるBBCSEXの紹介がおこなわれた。今回のBBCSEXではプレイアブルキャラクターとして『レリウス=クローバー』が追加され、それに合わせて他のキャラクターに関しても全体的な調整がおこなわれている。ネットワークモードでは2on2、3on3などネットワーク上で多人数が楽しめるような新規要素が追加されている。これによってPS3やXbox360のフレンドなど仲間内でゲームを楽しむことが可能になったり、ネットワーク上で参加者を集い大きな大会を開くことも可能になり、さらにネットワークモードの利便性が向上することだろう。

 森氏は「ネットワークモードにこのようなシステムを追加することで(プレイヤーが)ゲームセンターに行かなくなるのではないか?と語った。ネットワークモード以外にもBBCSEXではPSP、3DS版ではおなじみのアビスモード、サバイバルモードも今作では追加されている。

[ ストーリーモードについて ]

 BBCSEXのもう一つのウリであるストーリーモードについての紹介もおこなわれた。今回のストーリーモードではBBCS2のダウンロードコンテンツとして配信されたキャラクター『プラチナ=ザ=トリニティ』、『ヴァルケンハイン=R=ヘルシング』、『マコト=ナナヤ』、そして新キャラクターの『レリウス=クローバー』のシナリオが追加される。これらのシナリオに関してはかなり濃い内容になっているらしくストーリーモードが好きな人ならかなり楽しめる内容になっているとのこと。マコトとレリウスのシナリオは森氏が書かれたということで特に濃い内容になっているようである。

 今回のストーリーモードの目標として分かりやすさをかかげていることが語られた。森氏はあまりキャラクターが核心に迫ることを言うとユーザーが考えないのではないか?と考えていたようだが、駒尾 真子氏(富士見ドラゴンブックから発売の小説『BLAZBLUE フェイズ0』、『BLAZBLUE フェイズシフト1』の著者)から逆に分かりにくい、分かりやすくすべきだという指摘をうけ、それを踏まえて今回のシナリオを書いていると語った。

 さらにストーリーモードでは前の『CALAMITY TRIGGER』のシナリオがリファインされ収録されている。こちらは『CALAMITY TRIGGER』のトゥルーシナリオを基準にして『CALAMITY TRIGGER』の最初から最後までを『CALAMITY TRIGGER』とはどのようなものであったかということが一本にまとめられてある。

 しかも駒尾 真子氏が筆をとりほぼ全てを書き直したという渾身のシナリオになっている。シナリオ量が本来2時間に収める予定だったものが3倍になっているというところからもそれを感じることができるだろう。つまり今回のストーリーモードではBLAZBLUEの物語全体が把握しやすくなっており今までストーリーモードをプレイしていなかったプレイヤーにも入りやすい作りになっているようだ。

 最後に『CONTINUUM SHIFT』編のトゥルーエンドを最後までやれば、あることが分かるようになっているという発表があったので、既にストーリーモードを見たプレイヤーも楽しめる仕掛けがあるよう。とても期待がもてるシナリオになっていることだろう。

[ BBCSEXの調整、レリウスについて ]

今作は今までとは少し違ったと関根氏は言う。プレイヤーから意見をたくさん頂いたのでテストプレイヤーと日夜途方もない時間を使って今回の仕様となった。

今作はBBCS2の画面端が強いというコンセプトは残しつつ、中央でやることが少ないという声に答えて中央での選択肢を増やし、それに合わせて画面端部分の再調整がおこなわれている。またオフェンスが強いというゲーム性を残しつつディフェンスもできることを増やそう、ということでバリアガードのバリアゲージ消費量を増やしつつもノックバック距離が大きくなっている。これに関してもかなり難航したようで、作っていて一番苦労した部分になっている。

 レリウスに関しては関根氏の頭の中でこういう風に戦うというイメージができていたのでノリノリで作れたとのこと。気をつけていたところはカルルとの差別化。カルルは使うのが難しいというイメージがついていたので、レリウスがそれに引っ張られてしまわないようにDボタンを押せば攻撃がでるようにするところから始まり、今のラッシュ力が高い、カルルとは違う(人形との)連携ができるキャラクターになっている。
 関根氏は「レリウスはやればやるほど強くなっていくキャラクターなのでぜひレリウスで遊んで欲しい。」と語った。

[ ぶるれぼについて ]

 TGSでその存在について発表された2012年2月に決勝大会が予定されている賞金制大会、『ブレイブルー レボリューション』略してぶるれぼ。

 今回はそのぶるれぼについても話が及んだので紹介する。森氏によると今大会はプレイヤー目線で開催しようということで元格闘ゲームプレイヤーである関根氏からの意見を強く聞いて大会を開催できればいい、とのこと。大会形式について詳しくは語られなかったが、BLAZBLUEの全国大会は今までシングル、2on2形式のみなので、みんながやりたい形式でおこないたいと語った。スケジュールは現在急ピッチで調整中とのことだが、関根氏は「全国でやらないと面白くないと思う。色んな地域のプレイヤーにスポットをあてたい。今回の大会を皮切りにやっぱり格闘ゲームは大会だよね。という面白さを提供できるように悪だくみをしようとしています(笑)」と参加を促した。

[ 格闘ゲーム作りで重要にしているものとは ]

 司会者からこれについて質問されると森氏は「逆に格闘ゲームで大切なものは何なんですか?と聞きたくなる時がある」と熱い思いを語った。

 「ぶるらじでもそう。あれって傍から言えば反則なんですよ。ゲームの中のものを壊してしまっている。やっているのはぶっちゃけ杉田君(杉田 智和氏、ラグナ=ザ=ブラッドエッジの声優)なんですが(会場爆笑)。ですけど僕はあれを容認しているんですよ。あれはBLAZBLUEの世界を知っていればなお面白い作りになっている。一つのコンテンツが楽しめる形になっている。

変な話、BLAZBLUEを知らなくてもぶるらじを知っているという人達もいる。ですがそれを切っ掛けにプレイして、あれ?格闘ゲームって面白いんじゃない?と思ってくれる人がいればそれでOKなのです。ただ格闘ゲームに関しては必ず勝敗がついてまわる。それは避けては通れないものだと思っているので、それについては勝敗をつけることを楽しんでもらえる心を持ってくれと思っている。今後アークシステムワークスが格闘ゲームをどのような形で提供していくかは分からないが信念は変わらない」と語った。

[ 質疑応答 ]

 ここまで講演が進んだところで会場にいる人達からの質疑応答に移った。まず筆者から今回のアーケードでのPSRシステムの変更についての質問をした。それについて関根氏は

「単純な理由の一つとして数字が低すぎるという声が内外問わずあった。PSRは数をやればやるほど信頼性があがっていくというシステムなので最初は大きめになってしまうのですが・・・やはり数字が大きくならないとモチベーションもあがらないだろうということで現在のシステムになった」と答えた。

CPUがバーストする仕様に変更されたことについて改善してほしいとの意見がでると関根氏は笑いながら「それに関してはキツく言っておいたので(笑)」と次回作について匂わす発言をおこなった。キャラについての調整、強化などの要望が多数あがると森氏が「今回の闘劇2011で優勝したのがツバキでアメリカのevoで優勝したのがハクメンでみなさんが弱いと言っていたキャラが優勝している。なのでキャラ性能ではなく人間性能で補っていただけると嬉しいと思います。
変な話、強キャラは優勝していない、大きい大会ではみなさんが弱いとレッテルを貼っているキャラクターが優勝した。これがもし強いキャラクターじゃないと勝てないっていうことになると今のは全部なしっていう話になる。僕はそういう話だと思っている」と答えた。格闘ゲームの魅力としてプレイヤーの成長やスポーツ的な要素があるといったが、それは初心者には敷居が高い状況になっていると思う。先ほどコンテンツ自体を盛り上げることでそれを回避すると言ったが、ゲームセンターの事情を考えると初心者にお金を入れてもらわなければならない。

例えば初心者に優しくすると上級者や今までのプレイヤーをないがしろにしてしまう。上級者向けにすると初心者が来ない・・・そういうバランスについてどう考えているかという質問には

「毎回思うのがそういった問題に対して誰か行動しているのかと言ったら誰一人として行動しているように見えない。僕は色んなところで叩かれるが、僕がやっていることを果たして誰かやったのか?誰一人としてやっていない。やってない人が否定するというのは僕は許せない。なので僕は基本的にこれが正しいであろうということをやっている。それはBLAZBLUEを発表した時から一切変わっていない。
 どんな形であれ格闘ゲームを楽しんでもらえる形の一つの僕のやり方としてBLAZBLUEのやり方をとらしてもらっている。アーケードをやって、家庭用をだして、家庭用でだした謎解きを次のアーケードで反映して、アーケードでやったことを家庭用で完結する。それを極力回すようにしている。それで一つでも気になった人がゲームセンターに足を運んでもらって……初心者全員がゲームをプレイして『よしこのままこのゲームに金をつぎ込もう。』とはならない。100人いて1人いればいいかなと思っている。なら1000人足を運んでもらって10人、10000人足を運んでもらって100人残ればいいじゃないか・・・僕はその努力をしているだけです。」と本音を熱く語った。

 ぶれいぶるー -バトル×バトル-(DSiウェアで発売)のような格闘ゲーム以外のゲームは何か予定しているかという質問ではブレイブルーのシューティングゲームの妄想で盛り上がる場面もあった。

 最後に今後BLAZBLUEの物語において重要なキャラクターは登場するのかという問いに森氏は「シナリオを書く人間として話をさせてもらうとこれ以上キャラが増えると収集がつかないというのが本音。今はどのキャラクターがどこに対して重要なのかを区分けしようと思って再構成をしている。富士見書房さんからだしているBLAZBLUEの小説ともつなげていかないと、と考えている。非常に声の大きい、みなさんから声をいただいているキャラクターがいるが、あれに関してはご期待ください。来年の頭位にはBLAZBLUE フェイズ2をだしたいと思っている。先に言っておきたいのが、もし読み終わっても絶対に結末を他人に言わないでほしい。そういう結末にしている。なのでみなさんよろしくお願いします」というメッセージで講演は締めくくられた。

【 第三部 スペシャルマッチ本戦、エキシビションマッチ 】

 本戦は実力者達が熱戦を繰り広げる場となった。激戦を繰り広げた16チームだったが準決勝に残ったのは4チーム。準決勝第一試合は『出稼ぎに来ましたb』対『2年越しのチャレンジ』。『出稼ぎに来ましたb』チームはえーすけ(カルル)とねず(バング)〈敬称略順上同〉で構成されたチーム。ねずは闘劇2011本戦にも出場した経験をもつバング使いの実力者。えーすけも赤切符を持つ京都随一のカルル使いであり、実況の火九氏も認める今大会の優勝候補。

『2年越しのチャレンジ』はヒカル(ラグナ)とユキテル(ハザマ)のチーム。京都のプレイヤーの中で若いながらも頑張っているこの二人がチームを組み、今大会でも準決勝まであがってきた。

『2年越しのチャレンジ』の下剋上が見れるかと思ったが、そこはやはり経験の差も大きかったかユキテル対えーすけ、ヒカル対ねずの順に対戦がおこなわれたが両対戦ともに『出稼ぎに来ましたb』チームが勝利し決勝に進出した。

準決勝第二試合は『見せてやるよ宇治勢の力をな!』対『チームFFAL』。『見せてやるよ宇治勢の力をな!』はゆめかみ(プラチナ)とケツアゴ(μ)のチーム。こちらは二人ともCS2からのキャラクターを使用するチーム。

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REF2011二位のチーム、左がケツアゴ、右がゆめかみ。

こちらも京都では指折りのプレイヤーで構成されたチーム。『チームFFAL』は、うぉん(ヴァルケンハイン)と、しらたま(ラグナ)、非常に攻撃的でBBCSEXでの評価も高い2キャラを使い、ここまで勝ち上がってきた。

この2チームの対戦も『見せてやるよ宇治勢の力をな!』が危なげなく『チームFFAL』を破り準決勝へとコマを進めた。

決勝の前に三位決定戦がおこなわれ『2年越しのチャレンジ』と『チームFFAL』が対決。しかしそこは京都勢の実力を見せつけた『2年越しのチャレンジ』が勝利し、三位となった。

決勝は『出稼ぎに来ましたb』対『見せてやるよ宇治勢の力をな!』となった。普段から京都のゲームセンターでよく対戦をおこなっている4人ということでどちらかというとまったりとした雰囲気での決勝戦となった。

両チームとも観客を唸らせる素晴らしいプレーを見せてくれたが最後はねずがケツアゴを破り、下馬評通り『出稼ぎに来ましたb』チームが優勝となった。

 その後は前年度REF優勝チームとのエキシビジョンマッチとなった。前年度優勝は辻川(タオカカ)とかなた(ラグナ)。辻川は闘劇2010優勝者の一人である。今回のBBCSEXでもタオカカの研究に余念がなくエキシビジョンマッチ中も新しい二匹コンを見せつけるなどその実力をしっかりと見せつけてくれた。しかし勢いにのった『出稼ぎに来ましたb』チームの勢いを止めることはできず、1勝1敗で3戦目までもつれ込んだもののねずが辻川を降しREF2011優勝チームが前年度優勝チームを倒した。

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前年度優勝チーム。左がかなた、右が辻川。

 さらにチーム『出稼ぎに来ましたb』は関根氏とも急遽対戦をおこなった。関根氏は前にも紹介したが元格闘ゲームプレイヤーで闘劇の壇上にも登ったほどで2005年には優勝もしている実力。今回のBBCSEXでもレリウスを使い、中々やりこんでいるとのこと。さすが元プレイヤーで現プランナー、優勝チームにも引けをとらないバトルを繰り広げ特にカルルVSレリウスの親子喧嘩戦では観客も盛り上がりを見せた。

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出稼ぎにきましたb。REF2011優勝チーム、左がえーすけ、右がねず。

 エキシビジョンマッチ後は賞品贈呈式となった。優勝チームは関根氏から賞品のウロボロスパーカーと設定資料集を受け取った。また本戦に出場したチームにも賞品が渡され賞品が置かれた机では出場者がどの賞品を貰うか吟味していた。

最後は関根氏の挨拶で大会は締めくくられ立命館での長い戦いは終わった。

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締めのあいさつ。自分も大会に参加したくてウズウズしたと語る関根氏。

【 REF代表へのインタビュー 】

REF2011終了後片付けのお忙しい中、REF代表にインタビューをいただいた。

FFL(わたも):
まず簡単にREFの目的についてご説明ください。

REF代表:
REFの目的はeスポーツを前面に押し出し、日本でeスポーツの存在を広げることです。またゲーム業界などにもこのようなイベントでムーブメントをおこしたいと思っています。

FFL(わたも):
では次に数ある格闘ゲームタイトルの中からBLAZBLUEを選んだ理由を教えてください。

REF代表:
特に深い理由があるわけではないんですが(笑)、ゲーム研究会がBLAZBLUEに魅力を感じたからでしょうか。あとは顧問の中村彰憲教授が森 利道さんと親しいというのもありました。

FFL(わたも):
今回のREF2011を終わってみての感想をお聞かせください。

REF代表:
素直に楽しかったですが、疲れました(笑)。ただ今後もeスポーツイベントを開いていきたいという気持ちになりました。

FFL(わたも):
今後のREFの課題はありますか?

REF代表:
昨年よりも多く人に来てもらい、スペシャルマッチにも参加していただき大変嬉しく思っていますが、スペシャルマッチの上位と初心者の差が気になりました。・・・今後はより初心者の方にも楽しめるようなイベントにしていきたいと思っています。

FFL(わたも):
本日はお疲れ様でした。

 大学が主催でおこなわれるゲームのイベントというのは珍しい。特に関西は関東ほど盛んではないといえる。今後立命館のみならず他の大学も追随してこのようなイベントを開催していくことが今後eスポーツを関西で、日本で普及する上で重要になっていくのかもしれない。

eスポーツを日本で普及させていくには現状問題が山積みではあるが、それこそBLAZBLUEのように常に挑戦し続ける、動き続けるという姿勢は格闘ゲームをeスポーツを盛り上げていきたいと考えている人達に常に求められているものなのかもしれない。

 REFの今後のイベントは未定とのことだが恐らく来年もこのようなイベントを開催してくれることだろうと筆者も期待をしている。

よければこれを読んだ人達にもイベントや大会の素晴らしさが伝わればと願う。

 REF参加者、またスタッフの皆様。お疲れさまでした。

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REF2011終了後にとったスタッフさんの集合写真。

訪問・レポート執筆・写真撮影:わたも

   

   


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