既に各所で話題になっていますが、海外韓国の話題です。
去る2010年12月5日に、帰宅中の26歳の男性が、包丁と思われる刃物でめった刺しにされ、殺害される事件が発生。
そして2010年12月17日、その事件の容疑者として、23歳の男性が逮捕されました。包丁でめった刺しにする、残虐非道な通り魔事件として騒がれているのですが、何とこの騒動にアークシステムワークスの大人気格闘ゲーム「ブレイブルー」が巻き込まれてしまっています。
・・・というのも、この事件の容疑者が、事件直前までブレイブルーで遊んでいたことが判明。
容疑者はニューヨーク州立大学校を中退して帰国した朴氏。ブレイブルーの大ファンで、ブレイブルーに心酔していたと報道されています。
また2010年12月17日の21時に放送された韓国テレビニュースにおいては、ブレイブルーにより攻撃性を触発された容疑者が、そのまま凶行に及んだと報道。実際、犯行前にブレイブルーのオンライン対戦にて惨敗を喫していたようで、それに関するフラストレーションもあったようです。そのニュース報道内では、何とブレイブルーを「刃物で相手を殺すゲームです」と紹介。今回の通り魔殺人事件は、如何にもブレイブルーが大きな要因となったような印象を前面に押し出した模様です。
■ ブレイブルーというゲームについて
ブレイブルーでは、対戦で負けた相手が死亡する演出は有りません。ストーリーモードなどでも多くの場合、敗者は勝者と普通に会話する程度のダメージである事は伺えます。
また、ブレイブルーで刃物をメインに戦うキャラは「ラグナ」、「ジン」、「ハクメン」、「ツバキ」、「ハザマ」ぐらいのもの(広義に見るとνやμなども刃物になるかもしれませんが)。
銃や釘なら良いという事では有りませんが、少なくとも刃物で相手を「殺す」という表現はあまりにも悪意に満ちていると言わざるを得ないでしょう。
・・・それと詰まらないことでは有りますが、犯人がタオカカ使いやテイガー使いであったら、マスメディアはどう弁明するのでしょうね。
■ 表現規制について
奇しくも日本国内においても、東京都条約の件で表現規制が話題になっている現状。
韓国のとある有名ゲーマーによると「今回の事件はジン=キサラギのシナリオにも原因の一端があるのではないか」とのお話があったようですが、23歳のしかも留学経験のある学生が、ブレイブルーのジン・シナリオの影響で、現実と非現実の境界線を見失うとは到底考え難いです。もし、あれで現実の区別が付かなくなるようであれば、それはブレイブルーというゲーム側ではなく、プレイヤー側の精神状況に問題があったと言わざるを得ません。
■ 管理人から
格闘ゲームを見渡せば、モータルコンバット、サムライスピリッツ、ソウルキャリバーと槍玉に挙げられそうなタイトルはいくつでもあります。
しかし、それらが論拠となるデータと共に有害と立証された実例は有りません。
表現に対する法的規制に関する話題で、最近拝読し面白かった記事を紹介致します。
非実在有害図書 (内田樹の研究室)
「銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」
これを置き換えていわく
「刃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」
これが成立するのであれば
「ゲームが人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」
犯罪と有害と言われるアニメやゲームに有意な相関は見られません。
「有害表現」は「有害行為」が生じたあとに、遡及的に措定されるものであり
自存的に存在するものではありません。
全くその通りだと思います。
そしてブレイブルーが有害だと思ったことは、個人的に一度も有りません。
今回のような不当な印象操作がこれ以上広がらない事を、心から祈るばかりです。
※ブレイブルーをご存じ無い方へ
ブレイブルーには嗜虐的な要素はほぼ皆無です (少なくとも当方の視点からは)。
一般に青少年に悪影響を与えると指摘されるゲーム類とは、明らかに一線を引くタイトルです。そこを誤解なきよう、お願い申し上げます。